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2015年09月29日12:17

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火薬の話(3)

黒色火薬の原料に硝石が使われていることからもわかるが、火薬/爆薬には窒素酸化物、
前にも書いたニトロ基が必要になる。ニトロ基を作り出すのに一番手っ取り早いのは硝酸
と反応させることである。

強力な火薬を作り出すのに硝酸は欠かせない物質だったわけだ。この硝酸を作り出す方法
は17世紀ヨーロッパで確立していて、硝石と硫酸を反応させたものを蒸留する、という
方法が発見された。

しかし硝石というのは結構貴重な物質である。中央アジアや中近東などの乾燥地帯ではそ
こそこ算出するが、湿潤な気候であるヨーロッパではほとんど算出しない。しかし19世
紀初頭、チリで大規模な硝石鉱脈が発見された。これをもとにして硝酸は大量に作られる
ようになった。

そんなわけで19世紀ヨーロッパでは、より強力な火薬を作ることが盛んになった。色ん
なものが作られたわけだが、中でも1846年にイタリアの化学者、アスカニオ・ソブレ
ロが合成に成功したニトログリセリンが有名だ。

この物質はRE係数でいうと1.5だ。TNTの5割増しの威力がある。従来の黒色火薬
と比べれば約3倍の威力であり、これは実に強力である。しかしニトログリセリンはご存
知の通り極めて敏感な物質で、ちょっとした衝撃でも爆発してしまうものだった。

これでは火薬としての実用化は難しい。ということでこのニトログリセリンを何とか扱い
やすくすることはできないものか?ということで研究をしたのがスウェーデン人化学者の
アルフレッド・ノーベルだった。

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