mixiユーザー(id:1742111)

2015年02月18日01:52

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ネットをやり始めたときはBBSとEメールが主なコミュニケーション手段だったけど、その後はブログが出てきてコミュニケーションの質がちょっと変わり、その後mixiが出てきて完全に変わった気がした。あのまま密なコミュニケーション・スタイルが続くのかと思いきや、あっという間に廃れてしまった。この手のしがらみ系SNSは流行らないものなのだなと思ってたら、またもやフェイスブックとLINEなんてのが出てきて今に至る(ちなみに僕はスマホを持っていないのでLINEは出来ない)。他にInstagramだの何だのといろいろあるようだが興味ないのでよく分からない。で、ほとんど使わないけど僕もまたフェイスブックのアカウントを持っている。

フェイスブックには5人の友達がいるけど、みんな25年以上会っていない昔の友達。彼等はあまり書きこまないんだが「イイネ」ボタンはよく押すようで、彼等の知り合いの活動状況が僕のタイムラインにいろいろと表示されてくる。みんないかに楽しい日々を過ごしているか、いかに家族との充実した時間を過ごしているか、いかに忙しく動き回っているか、いかに楽しく仕事をしているか、そんなのを競うかのごとく、全くの他人である僕にもいろいろと報告される。「友達の友達はみな友達だ」という「笑っていいとも」の懐かしいフレーズがあったけど、友達の友達はどう考えても他人だろう。全く知らない人のリア充ぶりほど見てて退屈なものはない。

僕はもはやリアルだけでなくネット上でもほとんど人と交流しなくなってしまったので、あらゆる面で基準がよく分からなくなっている。誰とも交流が無いと基準というものが見えないので、何かと比較する、あるいは誰かと比較するってことが出来なくなり、自分の立ち位置がよく分からない。べつに分かる必要も無いかもしれないけど、ふと自分の行動に不安を覚えることもある。「森の生活」のソローのように強靭な精神でもあったらそんなことも無かっただろうが(とはいえソローは周辺住人との交流は多少あったようだが)、僕は日々考えが変化するようなテキトーすぎる諸行無常な頭を持ってるのでどうにもならぬ。自分の立ち位置など知る必要も無いかもしれないが、底辺中の底辺であることくらいは想像できる。

にしてもフェイスブックにたった5人フォローしているだけでこれだけ沢山の他人の情報が入ってくるんだから、100人とか200人とかフォローしてる人のタイムラインはどれだけカオスなことになってることか。考えるだけでめまいがする。

その昔、代々木ゼミナールの古藤晃先生は、全く無名の普通の人の伝記ほど面白いとか言ってたけど、違う時代の人とか他の国の人ならともかく、同時代の同じ国に住む普通の人とかに対しては何の興味も湧かない。で、その古藤先生は1986年頃「将来は世界のひとりひとりが網の目のように繋がる日が来る」という話をしていたことがある。僕はその話の意味がまるで分からなくて、この先生は一体何の話をしてるんだろうか?と不思議に思っていた(あんまり不思議だったので強烈に印象に残っているのだ)。今になって見ればあれはネットとかの話だったんだなと分かるが、当時はネットなんか無かったし、スマホなども想像つかなかった。

フェイスブックを見てると当時の古藤先生の言ってることは本当だったんだなと分かる。たしかに網の目のように誰かと誰かが繋がっていて、自分も世界に繋がっているかのようにみえる。ところで、網の目で思い出した。1967年のブロードウェイのヒッピー・ミュージカル「ヘアー」で最後に歌われる「レット・ザ・サンシャイン・イン」の最後にこんなくだりがある。

Singing our space songs on a spider web sitar
Life is around you and in you
Answer for Timothy Leary, dearie

僕は何故かこの歌詞を全部諳んじてるんだが(昔何百回も聴いたので覚えてしまった)、この部分は特に印象的だ。ここにwebという言葉が出てくるけど、これは今でいうところのネットのweb(world wide web)と同じ。情報網の繋がりや人と人との繋がりのこと。それをくもの巣に例えている。この歌詞にも出てくるティモシー・リアリー(Timothy Leary)の本にこのコンセプトが出てたように記憶しているんだが、大学時代に読んで以来読んでないので正確なところは分からない。ただ、WWW(world wide web)の発想はすでに1960年代のヒッピー時代からあったということだ。あのスティーブ・ジョブズもモロにヒッピー・カルチャーに影響を受けてる人だが、ネットそのものがヒッピー・カルチャーから出てきたようなものなんじゃないか(って、よく知らないけどさ)。

くもの巣のような人と人との繋がりを可視化したものがフェイスブックだろう。まるで人と交流しない自分から見るとどこか不自然というか無理矢理感もある気がするんだけど、たぶんこれが現代のスタイルってことなんだろう。100年後の人から見たら「なんだこりゃ?」的なものだと思うんだが、そんなこともないのかな。地球が始まって何年経ち、これから地球が何年続いていくのか知らないけど、長い地球の歴史の中で自分が体験するのがなんでたまたまこの時代(しかもほんの数十年だけ)だったのかってことをよく思う。他の時代に生きたことが無いので比較しようが無いが、なんだか妙な時代って気もする。フェイスブックで皆と繋がったような気になって、くもの巣の情報網で世界中の出来事を知ったような気になって、友達の友達の生活を知ったような気になって・・・。みんな幻想だったりして。60年代〜70年代のヒッピーたちがLSDやマリファナでラリって幻想を見ていたように、現代人はネットでラリってるんじゃないのか。まあ、僕も自分が正気だとは思ってないが。
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