森岡毅著「苦しかったときの話をしようか」を読んでいる。
タイトルが秀逸だよなぁ。
しみじみと語りかけてくれるような印象がある。
自分の娘さんに語りかける形でつづられた仕事論。
著者と同世代の俺にも、なんとも考えさせられる内容で面白い。
なかで印象にのこったところ。
人間は変化を嫌う習性があるという話。
となりの山に行った方が、今よりもたくさん食料が手に入るかもしれない。でも、まったくとれない可能性もある。だから、となりの山に行くことを考えても、体が重くなったり、やる気がでなかったりで、どうしても行くことに躊躇してしまう。
それは生き物としての本能だ、と。
あぁ、そうかもしれない。
生物のいる環境の次元で見れば、今あるものを失う方が生存確率は下がるかもしれないね。
ただ、現代社会でみたらどうだろうか。
今の環境に甘んじて、となりの山にいく、違う環境に行くことを避けることに、生きるか死ぬかの次元までのリスクがあるだろうか。
人間はコンフォート・ソーンにいる段階で、自分は心地いいかもしれないけど、成長はとまる。
それが心地よい環境ならまだしも、がまんしてなんとかいられるという状況なら、いずれゆでがえるになることもあるんじゃないのか。
なんてことを読みながら考えた。
なかなか刺激的だね。
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