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2023年08月27日10:17

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丁寧で「味わい深い」7番・・・びわ湖ホール<マーラーシリーズ>

沼尻さんの7番って、こんな風になるんだ、という感慨が強いです。

滋賀(大津) 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール大ホール
マーラー・シリーズ 沼尻竜典×京都市交響楽団
沼尻竜典指揮 京都市交響楽団
(コンサートマスター 豊嶋 泰嗣)
マーラー:交響曲 第7番 ホ短調「夜の歌」

3月の「悲劇的」の時に、「沼尻さんのマーラーって、曲によってかなり違う」と書いたけれど(https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1984641500&owner_id=28135846)、今回もそのことを強く感じた次第。

全体を通しての印象は、とても丁寧に紡がれた演奏、という感じ。今年の1月から、7番はこれで3回目になるのだが、前2回の演奏が、1月佐渡・PACにしても4月大野・都響にしても、ゴージャス・豪放を全面に打ち出したものであったのに比べると、よりそのしっとりとした肌触りが際立つような気がします。まさに、プレトークで沼尻さん本人が「”お楽しみください”というより、”味わってください”」と言っていたその言葉通りだなあ、と思います。

特に、1楽章の再現部前の長い長いクレッシェンドでみせる「夕暮れの美」のむせ返るような香気。これは、前二つのどちらからも感じることのなかったもので、なんとも美しかったです。

また、(良い意味で)長いなあと思わされた2楽章も今回の特徴かも。途中で、え?まだ2楽章やってるんだ?と思わず思ったくらい(これは、ご一緒した東京組のお方も同じことを言ってました)。それくらい、じっくりと歩みを進める音楽。3楽章は、ことさらに演奏効果を強調するようなものではなく、「楽しい」「ホラー映画」という風情。4楽章のメルヘンも、かわいくまとまっていて、実に微笑ましい。

そして、この4楽章からアタッカで突入する5楽章では京響の演奏効果を存分に堪能しました。いやあ、いいもんですねえ。アタッカで5楽章にはいる演奏というのは、実は初めてだったのだが、沼尻さん、なにか意図があったのかな?

今回も当日券の長い列ができたという会場は、ブラボーの嵐。ご同慶の至りであります。プログラムによれば、やはり全交響曲をこのシリーズでやる予定との事。4→1/10→6→7と来て、さて来年は?今年の9月に広上さんが5番をやることを考えると、そのまんま5番を持ってくるのか、それとも?
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