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2023年05月13日16:16

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暴力のサブスク解禁!「オオカミ狩り」

とにかく凄い暴力映画なんだ、と評判だったので観てみました。
呆れました!
映画のほとんどが血塗れバイオレンスシーンで塗りつぶされています。

まさに暴力のサブスクが解禁され、いくらでも好きなだけ暴力シーンを追加できるようになったのかと思いました。
どれだけ暴力を振るっても、月額980円ポッキリ。

暴力、暴力、休憩、暴力、暴力。
焼肉の食べ放題に行って、ごはんや野菜を食べずに肉(暴力)だけ食べ続けたみたいです。
導入部は結構丁寧だった気がしますが、暴力が始まってからはもうお話なんてちっとも説明なし!
経緯とかドラマとかより暴力の方が良いでしょ!
そんな開き直りを感じました。

しかし、まあ。
肉だけだと途中で急にやって来ますよね。
「もう食えない」ポイントが。

あるいは、ノリノリで聴きていたメタリカのアルバムが長すぎて、途中で「いつまで鳴ってんだ!うるせえな!」と頭にきた事はありませんか。
何事もちょうど良さというものがあるのです。

おまけにこの暴力が、派手で元気で血がドバーなのは良いのですが、ずっと漫画的なパワー系暴力で単調なため、余計に飽きがきます。
つまらなくはならないのですが、全然ショックとか怖さは無くなります。
「まだやってんだね!お疲れさん」と、残業をねぎらいたくなる感じです。

お話の設定も、もう百万回観たようなやつ。
もうここはテンプレでいいだろうという力の入れなさ具合です。
話はほとんど無いのですが、登場人物の誰が死ぬか?には妙に意外性があります。
「ザ・フィースト」というホラー映画があって、そういうパロディ的な事(主人公的な人がすぐに死んだりする)をやっていた気がしますが、あれと同じでしょう。
要は、ホラー映画の「あるある」を逆手に取っているわけです。
これはジャンル映画で結構、という開き直りでしょうか。

ここ最近、AIによる絵や音楽が話題になる事が多いですが、映画のシナリオにもこの技術が導入されるのは時間の問題でしょう。
とくにこういうジャンル映画では、もともと過去の作品の流用が少なくありませんから。
この映画は、まさにAIが書いた話みたいでした。
ベリー、ベリー、バイオレンス!
そんな一言だけを入力して書いてもらったシナリオだったのでは。

今年になってから韓国映画の感想をいくつか書きましたが、辛いものが多かったと思います。
さらにこの前「バニシング 未解決事件」という韓国サスペンス映画を観ましたが、確かに面白く作ってはあるのですが、人物配置だけで展開が読めるほど強引なシナリオに、途中で冷めてしまいました。
この「強引さ」に少しの躊躇もしない点は、韓国映画の味でもあるのですが。

過去の素晴らしい傑作群がすでにありますから、そこから借用して濃い味付けで調理すれば、確かにそれなりに面白いものが生まれるでしょう。
この映画はバイオレンス・アトラクションとして劇場内だけで楽しめれば、後はすっかり忘れられても構わないのかもしれません。
そういうものとしては成功していると思います。

でも、ポン・ジュノやパク・チャヌクといった、韓国映画を世界に広めた名監督の作品は、決して表現の過激さだけでは無かったと思います。
心にブッスリ刺さって抜けない何かを残してくれる作品ばかりでした。
「別れる決心」は過激な表現は何もありませんでしたが、何日も心に不法占拠し続けるものを持っていました。

別にただの娯楽映画にそんなもの必要ないと思う人がほとんどでしょうから、これはあくまで個人的な意見です。
ただ、最近の韓国エンターテイメントには何故かそういうものを強く感じてしまうのです。
まったく心を感じないと言うか。
やっぱり、本当にAIが脚本を担当しているのかもしれませんね・・・。

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