クルマ0360 生産1台(GODSAL)

先日、TVで珍しいイギリス車、ゴッサルのレストアの様子を放送していました。ゴッサル？GODSAL?

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どっかで聞いたことがあるなぁ、古い書籍か雑誌に載っていたような…
ということで、本棚の蔵書をめくって(実際は目次を見て)探しました。長い間に溜まった本は結構多いので数日かかりましたが、ある夜ついに見つけました(意地になっていました)！イギリスのThoroughbred & Classic Cars誌1977年3月号。

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筋金入りのカーキチだったロンドンの弁護士、Herbert Godsal(ハーバート・ゴッサル)に大いに影響された息子のCharles(チャールズ)は、1935年に2座のスポーツカーをデザインし、ロンドンのResearch Engineers Ltd.にシャシーを、コーチビルダーのCorsicaにボディを作らせました。
コストは£3000を超えました。当時としてはすこぶる高額で量産する金銭的余裕がなくなり、1台きりのプロトタイプに終わりました。

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梯子型シャシーに取り付けられたサスペンションは、フロントはスライディング・ピラー式の独立懸架(ランチヤのそれを範としていました)ながら、リヤはバンジョー・アクスルを使ったリジッドというスタンダードなモノでした(ベントレーのアクスルを使用)。

フロントに搭載されていたエンジンはフォードのSV(サイドバルブ)V8でした。シリンダーヘッド上面が平らなので「フラットヘッド」と呼ばれたアレです。出力は85馬力/5500rpmで、ライレーから抜き取った4速のプリセレクター・ギヤボックスを介してリヤを駆動しました。

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このクルマは、チャールズが友人に売却した後に一旦所在不明になってしまいましたが、1969年に公開された"Mosquito Squadron(モスキート爆撃隊)"という映画に登場して表舞台に出てきます。その時は黒から赤に塗り替えられ、第二次世界大戦中の姿(夜間目立たないようにヘッドランプに覆いが付けられるなど)への改造が施されていました。

その後、1972年にAnthony Sidgwick(アンソニー・シドウィック)が入手します。彼はレストアの準備として、当時まだ操業していたResearch Engineers, Ltd.の社長に1935年の新規製作話を聞いて製作時の写真を入手、そしてAshton Keynes Vintage Restorationsにレストアを依頼しました。
そのレストア時の様子が、新規製作時の写真と共に前述のThoroughbred & Classic Cars誌1977年3月号に掲載されたというワケです。

パネルワークなどは見事ですが、換装されてしまったエンジンや赤のままの塗色は「何をか言わんや」です。

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その後は紆余曲折を経てアメリカに渡り、冒頭で述べたようにテレビ番組でレストアの様子が放送されたというワケです。
レストアを行ったのはWayne Carini(ウエイン・カリーニ)で、徹底的な調査の上、製作された1935年の姿が忠実に再現されました。

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