mixiユーザー(id:371669)

2022年11月01日14:27

360 view

またまた韓流から出た私にとってのベストテン級SF大作「SEOBOK/ソボク」。そして1年の5/6が終わる。

 10月18日(火)に昨年2021年7月公開の外国映画「ラン・ハイド・ファイト」を観る。

「ラン・ハイド・ファイト」(カイル・ランキン)
生徒の何人かが徒党を組んで、校内で銃乱射をし立て籠もる。軍人の父に育てられ共に狩をして、プロムなどに全く興味の無い女子高生が、単身で抵抗しクラスメートの救出に奔走する。テロ集団はSNSを活用して、現場中継の劇場型犯罪を楽しむような変質的側面も持っている。その21世紀的なユニークな描写と臨場感は半端なく圧倒的だ。ヴェネツィア映画祭アウト・オブ・コンペティション部門出品も納得の佳作である。異常な犯人の深層心理や、母を早くに亡くしその亡霊がヒロインを励ますあたりの父親との微妙な関係は、良く言えば含みを持たせた表現、悪く言えば舌足らずとなるが、現場臨場感の素晴らしい描写で不問に付そう。(よかった)

 10月19日(水)に昨年2021年7月公開の外国映画「SEOBOK/ソボク」を観る。

「SEOBOK/ソボク」(イ・ヨンジュ)
余命宣告を受けて、すさんだ生活を送っていた元情報局員コン・ユに、クローン人間パク・ポゴム護衛を国家プロジェクトの一環で依頼されるが、この実験体から不治の病の治療法の細胞抽出の可能性があり、命と引き換えにこの任務を受諾する。当然、この秘密を狙ってアメリカが暗躍し、韓国軍も交えて壮絶な闘争が開始される。逃亡の最中の中で、眠ることすらない世間知らずの実験体パク・ポゴムに、コン・ユは次第にシンパシーを感じてくる。死なない人間から見た死ぬこととは何か?との、哲学的命題に至るのは興味深い。実験体は大富豪の不治の病の治療のためとの裏の思惑があったり、幼い息子と夫を交通事故で喪ったことから、不死の子供を創り育てようとした女性研究者とか、人間臭い側面も顕わになってくる。人間は不死を弄んではいけないとの終幕は、あまりハッピーとはいえないが、いかにも人間臭いコン・ユとピュアなパク・ポゴムの、際立った個性の対比が圧巻だ。朝鮮語のソボクが日本語の素朴と同音なのは楽しいが、それはどうでもいいことである。改めて、これだけの優れたSF設定で、人間味も深くスケールも大きく、アクションもタップリ魅せてくれて韓流おそるべしの感を強くした。(よかった。ベストテン級)

 10月23日(日)に昨年の令和3年11月公開の日本映画「映画 すみっコぐらし 青い月夜の魔法」を観る。

「映画 すみっコぐらし 青い月夜の魔法」(大森貴弘)
部屋の隅を好む個性的なきャラクターが勢揃いする。ペンギンや猫などの動物から、雑草やドングリなどの植物、トンカツや揚げ玉などの食べ物に加えて、ホコリやら幽霊(といってもオバQ調のしろもの)と、多種多彩である。全部が丸まっちいキャラに擬人化されているけれど、区別もハッキリつくような創りがユニークで素晴らしい。アニメの魅力はキャラに尽きるというのが私の持論だが、その意味でこれらの愛らしさと微笑ましさは、100%私の好みである。今作は、月から来た魔法使い達と、すみっコぐらし達の交流で、どんな夢も諦めずに願い続けることが大切とのテーマが、口当たり良く心地よい。トカゲの子の夢はママといつでも会えることなのだが、ママは実は恐竜で近くの湖に棲息しており、出現すると「スミッシー」として大騒ぎになるので、実はすみっコぐらし仲間には自らをトカゲと偽っていて、ママにもなかなか会えないというかなりエグい現代的テーマが裏にあるのだが、そこをあまり深く突っ込まないのは、この映画の世界観から当然だと思う。(よかった)

 10月27日(木)に昨年2021年5月公開の外国映画「ジェントルメン」を観る。

「ジェントルメン」(ガイ・リッチー)
アメリカから移住し一代で大麻王国を築き上げた男が、ビジネスを売却して引退を考えるが、そこをキックにして紳士面したワル達(だから複数形のジェントルメンです)が繰り広げる権謀術数の数々を、マヒュー・マコナヘイ,コリン・ファレル,ヒュー・グラントetcの芸達者連中が、味のある出し抜きあいを展開する。そんな題材だから、全員悪党のオンパレードだ。いわば、英国版「仁義なき戦い」、はたまた「アウトレイジ」かといった趣きで、題材としては目新しくないが、そこを個性派ガイ・リッチーがどう語るかだろう。冒頭で主役のマコナヘイ暗殺を匂わせ、それで引っ張りつつ実は…との仕掛けや、悪徳ジャーナリストのグラントが、暗黒街裏話を、ユスリのネタだけでなくハリウッドに脚本化して売り込もうとしたりと、リッチーらしい語りの妙は満載だが、私こうしたヒネリ気味のリッチー・タッチに大きく浸れるタイプではないので、まずは面白かったかな程度といったところ。(まあまあ)
 10月29日(土)に昨年2021年4月公開の外国映画「ビーチ・パム まじめに不真面目」を観る。

「ビーチ・パム まじめに不真面目」(ハーモニー・コリン)
デビュー作が大成功を収めた天才詩人が、その後に資産家の妻に頼り切り、詩を発表する気もサラサラなく、セレブ達と酒とドラッグ漬けの自堕落な生活を続けるが、妻が交通事故で急死、結婚した娘から禁治産者とされ、更生施設に放逐されるが、脱走してセレブを頼ってやりたい放題。でも、最後はピューリッツァー賞を授賞し、夫と別れた娘とも和解、ハッピーに終わる。と、こんな具合にサクセスストーリー風に流れを追ってもほとんど意味がない。なぜなら、主人公は終始徹底して自堕落のままで、人格変遷のドラマ性が全く皆無だからだ。魅力的なのは、映像は時空が結構無作為に錯綜するのに対し、音楽と台詞は完璧に繋がっているユニークな語りである。音さえ連続していれば、映画は何とかなるとのルルーシュが発見した話法だ(実はそんな単純なものではなく、慎重な映像モンタージュが必要なのであるが…)。さらに最も魅力的なのはこの自堕落でどうしようもない男に、人間的魅力を造形したマヒュー・マコナヘイの存在だ。前々日の「ジェントルメン」に続き、マコナヘイ主演作の連続録画観賞となったが、これは期せずしてムービープラスのマコナヘイ特集連続放映のもたらした結果である。前作の冷酷非情な暗黒街のボス、今作の自堕落詩人と、2つの個性が楽しめるに至った。対照的演技のマコナヘイの多彩な2本が続けて味わえて、往年の2番館のマコナヘイ特集のような雰囲気で楽しんだ。(まあまあ)

 10月30日(日)にピンク映画「師匠の女将さん いじりいじられ」を観る。

「師匠の女将さん いじりいじられ」(工藤雅典)
水川スミレ,安藤ヒロキオ,折笠慎也のお笑いトリオ。折笠慎也は安藤ヒロキオの台本創作力に嫉妬し、反対に安藤ヒロキオは折笠慎也の芸人としての表現力に嫉妬している。そんな心の底を反映しての水川スミレを巡る三角関係は、扱いようによっては面白くなりそうなのだが、以外と濡れ場の方便でしかないピンク平板の、凡に堕ちてしまったようだ。もう一つのストーリーラインとして、今は亡き憧れの師匠の未亡人・並木塔子と義理の娘・生田みくが、台本創作を巡って安藤ヒロキオに絡んでくるが、これが風のように現れ風のように去って行くあたりに、得も言われぬ味わいがあった。特に小悪魔のような生田みくの、小柄なトランジスタグラマーぶりが印象的。工藤雅典監督(脚本も)の手慣れた職人技の一篇だ。(まあまあ)

 前回の日記以降、10月末までに観た自宅観賞映画は次の15本。10月はかくして終り、1年の5/6が終わってしまった。

「ラン・ハイド・ファイト」「フード・ラック!食運」「SEOBOK/ソボク」
「レジェンド・オブ・フィスト/怒りの鉄拳」「世界でいちばん長い写真」
「映画 すみっコぐらし 青い月夜の魔法」「2ガンズ」
「前田建設ファンタジー営業部」「マガディーラ 勇者転生」「にがくてあまい」
「ジェントルメン」「ビーチ・パム まじめに不真面目」
「師匠の女将さん いじりいじられ」「七人の刑事 終着駅の女」
「魔女がいっぱい」

2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2022年11月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930