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2022年09月19日23:23

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そのまんまタイトル!「殺人鬼から逃げる夜」

劇場で公開された時、観るつもりは無かったものの、タイトルだけは妙に印象に残ったのです。
悪い意味で・・・。
もうちょっとこう、何か無かったのか。
内容は確かに分かりやすいですが、これってタイトルというより内容の説明じゃないですか。

そうか。
殺人鬼から逃げる映画ね。
まあ、夜でしょうね。
韓国映画だし、よくあるやつだな。
それなりに面白いのだろうけど・・・。
なんか、もうタイトルだけで観たような気分になってしまいます。

観終わってみれば、「聴覚障害者」が殺人鬼に追われる内容でした。
そうなると思い出されるのが「見えない目撃者」です。
視覚障害者が殺人鬼に襲われるという内容で、オリジナルは韓国映画の「ブラインド」という映画です。
中国と日本でリメイクされた際に付けられたタイトルが「見えない目撃者」なのですが、秀逸なタイトルですよね。
視覚障害者が事件に巻き込まれるという内容を、端的に表しています。

こうなると後発の本作も、聴覚障害者ならではの単語が入っていて欲しいものです。
そこが一番の特徴なわけですから。
殺人鬼から逃げる夜?
僕が上司だったら、こんな案は速やかに却下です。
「どうです?」みたいな顔でニコニコしていたら、平手打ちです。
全然ダメだ、当然だろ!

じゃあ、どんなタイトルだったら良かったのか。
自分で考えてみましたが、これがなかなか難しい。
そう言えば、原題はどうだったのかと調べたら、なんともっとシンプルな「MIDNIGHT」。
これじゃ何だか分からないよ!
確かに、邦題の方が少し分かりやすくなっているわけです。
じゃあ、ま〜いいか!

問題はタイトルだけじゃありません。
先ほども書いたとおり、障害者スリラーというのはすでに色々あるのです。
最近だと「シーフォーミー」という、やはり視覚障碍者が主人公のスリラーが公開されましたが、どうにも新鮮さが感じられず食指が動きませんでした。
前述の「見えない目撃者」とも似たシチュエーションですし。
面白いという評判も聞いているし、観る価値はあったと思うのですが。

この映画も、想像を超えたものにはならないだろう・・・。
そんな気持ちで観たのですが、思っていたのとは随分違っていました。
もっとひたすら殺人鬼から逃げるばかりのソリッドなサスペンスを想像していたのですが、予想もしなかったシチュエーションを惜しみなく次々と展開するあたり、さすが韓国映画だと感心しました。
怖いだけでなく、もどかしかったり可笑しかったり。
もちろん、シンプルに走って逃げるシーンもたっぷりありますが、主人公も殺人鬼も常に全力疾走!
姿勢良く元気に走ります。

しかし・・・。
強引な展開は韓国映画ならではですが、この映画ではあまりにもそれが多すぎます。
特に、殺人鬼が何をやりたいのか、さっぱり分からない。
ものすごく狡猾に追い詰めたりするのに、いざとなるとうっかり取り逃がしたり、襲わなかったりするのです。

「オイ、お前殺したいなら一気にやれ!」と、思わず殺人鬼にアドバイスを送りたくなってしまうのです。
逃げる方も妙に迂闊だったりして、まさに泥試合。
鬼ごっこ自体は必死なのに、いざ追い付くと両者共にグダグダ、モタモタ。
こんにゃくで殴り合う様な、相手に配慮しまくった攻防となるのです。

このストレスは、終盤の雑踏シーンでピークに。
「ハァ?お前何がしたいんだよ!」と殺人鬼に対して思わず声を荒げてしまいました。
誇張では無く、実際に画面に向かって声を出してしまったのです。
映画でここまで怒りの感情を発露するのは、なかなか無い事です。

退屈な映画で無い事は間違いないのですが・・・。
悔しい事に、終盤のある見せ場では感心もしてしまったのです。
感情がもうグチャグチャ。
でもまあ、怒りの方が上回ったかな〜。
とにかく、この殺人鬼だけは本当にずっと不快でしたね。
もっと真面目に殺れ!

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