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2020年12月17日12:33

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ベートーヴェンお誕生日・後奏「ピアノソナタの夕べ」

12/16ベートーヴェンの250歳のお誕生日でしたが、12/17は後奏として私が聴きたいと考える「ピアノリサイタル」を妄想してみたいと思います。ベートーヴェンの音楽では、交響曲と協奏曲は「傑作の森」と言われている中期に多いのですが、ピアノソナタや弦楽四重奏は、初期と晩年の曲が好きです。

ベートーヴェンお誕生日・後奏「ピアノソナタの夕べ 」
2020年12月17日19時@紀尾井ホール

ピアノソナタ第3番ハ長調op2-3
・エリソ・ヴィルサラーゼ

ピアノソナタ第11番 変ロ長調 op22
・リチャード・グード

【休 憩】

ピアノソナタ第31番 変イ長調 op110
ピアノソナタ第32番 ハ短調 op111
・クリスチャン・ツィメルマン

ピアノを聴くなら四谷の紀尾井ホールがイイな。ここは私がかつて勤務していた組織設計事務所が設計した作品です。私は、このホールのステージ脇のバルコニー席で聴くのが好きです。天井が高く気積が十分なので、ピアノの余韻もとてもキレイです。
前半はベートーヴェンの初期の3番と11番、後半は31番と32番。これだけ聴くと休憩込みで3時間ぐらいかかりそうですね。

3番と11番は、大ピアニスト、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリが演奏する映像を見て(聴いて)好きになりました。

3番は若きベートーヴェンの意欲作で、彼のアイデンティティが確立してきたことの作品に聴こえます。ハイドンやモーツァルトの雰囲気もちょっと残っています。私がニヤッと笑ってしまうのは、モーツァルトの「リンツ交響曲」に似たリズムが使われているところですね。協奏曲のような華麗なけにカデンツァも出てきて、聴き応えがあります。この曲はロシアピアニズムの名教師エリソ・ヴィルサラーゼの演奏で聴きたいです。音符では聴こえてこないような音を出してくれそう。

11番は、「傑作の森」である中期へ以降しようとするライジング・スター的な雰囲気が感じられますね。この曲の冒頭、静かでリズミカルな序奏から、ポーンと華麗なメロディの放物線が出てくるところには、走り高跳びの選手の姿が見えます。2楽章の美しいメロディも大好きです。リチャード・グードの実演はまだですが、彼のモーツァルトやベートーヴェンのCDからは透明感で柔らかさが感じられます。私が好きなラドゥ・ルプーと雰囲気が似ているかも。

31番と32番は、もう説明する必要がないでしょう。ベートーヴェンが亡くなる5〜6年前に作曲した遺言のような音楽です。それにも関わらず、画期的なことをやろうとしている。31番のフーガ、32番のリズム。この曲を弾いてもらうなら、内田光子、ポリーニ、バレンポイムの顔もチラつきますが、ツィメルマンで聴きたいです。数年前、水戸芸術館で聴いたシューベルトの最晩年のソナタ、20番・21番を聴いた人なら、ベートーヴェンの最晩年のソナタを聴いてみたいと思うのは自然でしょう。天国へ魂が持っていかれそうになりました。

ここまで聴いたら、私たちもへとへとです。
アンコールはなし。
四ツ谷駅まで余韻に浸りながら歩きましょう。
「私が好きなピアニストって、
イチロー選手の振り子打法のような
しなやかで柔らかい感じのピアニストが多いかな…」
みたいなことをつぶやきながら。




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