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2019年10月20日12:31

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地名

多摩川の水が溢れたり、大雨で冠水したり、
ということが都市部で起きて、
旧地名について言及されているようだ。

高津というのは相当な水位の流れがやって来ることを指していそうだし、
田園調布辺りの元の地名は沼部と言ったそうだ。文字通りだろう。

新しく開発した土地になんぞステキなイメージの地名を付けるのは
分からなくはない。
そのほうが人も寄って来るだろう。
商業施設にしても、住宅にしても。

しかし、土地々々には地質や気候といった風土が有って、
その特徴を表す呼び名が付けられている。

いくつかの字などをまとめてなんとか町とか、
町をまとめてなんとか町とか、
なんなら二つの市を合併してなんじゃらとか、
地名はどんどん大雑把になっている。



駅名などは、開発や商業と結び付きやすいので、
新しい名前になりやすいように思う。

一方で、バス停には小さな地名が残っていることが多い。
町名としては消えていても、
バス停の名前は変えてさえいなければ、古い地名が残る。



私の住んでいる所は今、深大寺南町なんて言っている。
以前は深大寺町というだだっ広い町だったが、
これも二つの村を統合した結果だ。

自治会の区分けに、以前の細かい字名が残っている。
自宅のある地区は、中原という。
ちょいと西へ行くと西原という交差点が有った。
しかしこの交差点名も、ある頃に深大寺五差路なんてのに変わった。

近くを中央高速道路が走っている。
深大寺の台地を過る所は切り通しになっている。
地元の道は高速道路を橋で渡る。
この橋にも、古い地名が残っている。
上ノ原とか、蛇久保とか。
じゃくぼなんて、いかにも蛇がにょろにょろいそうな湿った窪地を思わせる。



多摩の丘陵地の宅地開発でも、うそくせえ地名が付く。
最寄り駅がつつじヶ丘なので余所の地名にケチをつけている場合ではないが、
〇〇ヶ丘だの〇〇台だのが好まれる。

丘だ台だが良いイメージなのは、つまりは凹んだ所は水か良くても湿気が溜まって暮らしにくいからだ。

多摩丘陵の、丘と丘の間の窪地を谷戸(やと)と言う。
湧き水が田を潤してくれる。
田んぼには良い。

そういう土地を、丘の上を切り崩してその土で谷戸を埋め立てて
全体的になるべく平らかにして住宅地としている。
地盤がよろしくない。

新しい所ならほんの数年前の、そうでなくてもせいぜい50年前の地形図を見れば、
どんな場所だったかすぐ分かる。



人間も、足で地を這う動物だ。
地形は自然のものであり、地名は人間がそれに付ける呼び名だ。
削ったり埋めたり、合わせたり上書きしたり、
人間自身がなんだかよくわからなくしちゃっちゃあ、うまくいかないじゃないの。
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