ライカレンズでホワホワに写るタンバールて戦前の品がある。珍品、お宝で写真や文章に触れる程度。まず持てる物では無い。
ところが30代半ばのある冬、自由が丘の写真場主人がタンバールを貸してくれてその写りに驚いた。全てを夢のようにしてくれる凄いレンズじゃないか。返してから年明けの夏ボーナスで自分も中古品を買った。銀塩衰退とクラカメブームの終わりだったので「天井知らずの高価な値段」じゃなかったのは幸いだった。
同じ金額で定評のあるライカレンズが買えてお釣りが来ただろう。だが自分はズミルクスやズミクロン、スーパーアンギュロンへの期待よりはタンバールの写りが遥かに魅力的だった。
震災前の年にライカ社の社主が来日しての講演会があった。質疑の時間に「タンバールを復刻しないのか、したら世界中のファンが買うだろう」て問えば、ドクトルは復刻には否定的な答えだった。
それから幾年も経った一昨年の秋、復刻レンズ第二弾でライカ社が発表したのがタンバールだった。あの見解は何だったのだろう、て思ったけど願っても無い椿事に世界のライカ道楽は沸き立ったと思う。
沸き立ちも落ち着いて数年、さてどうした物かと思ったが増税も近い世相もあって踏み切ったヨ。
お迎えしたのは月曜で今は金曜だが未だカメラには付けていない。まさか新品のタンバール、豪勢な包装に圧倒されて扱いあぐねている。
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