先週の上京に合わせ、夜は紀尾井町ホールで
紀尾井町ホール室内管弦楽団の演奏会を聴いてきました。
内容は以下の通り
■紀尾井町ホール室内管弦楽団｜第114回定期演奏会
■11月23日(金･祝)19時〜＠紀尾井ホール
指揮・チェロ：マリオ・ブルネロ
アレンスキー：チャイコフスキーの主題による変奏曲 Op. 35a
ルビンシテイン：チェロ協奏曲第2番ニ短調 Op. 96
チャイコフスキー：組曲第4番ト長調 Op. 61 「モーツァルティアーナ」
チャイコフスキー：ロココ風の主題による変奏曲 Op. 33
（アンコール）
チャイコフスキー：夜想曲Op. 19-4
このプログラムの興味は3つあったと思います。
�．撻謄襯好哀襯�音楽院の系譜を俯瞰できるロシア音楽
��原曲とその変奏あるいは編曲という特徴がある音楽
��マリオ・ブルネロのチェロ独奏と指揮というひとり二役
ツイッターなどでは、この時の演奏を絶賛する方が多いようです。しかし残念ながら、私は良かったとは思えませんでした。この日の紀尾井H室内管の音は豊かでレガートが利いた響きです。ロシアのオーケストラの音というと、私は粘りがあって、バタ臭い感じの響きを求めてしまいます。カラヤンのチャイコフスキーが好きな方なら、紀尾井の演奏は好むでしょうねｗ。
個人的に印象に残ったのは、ルビンシテインのチェロ協奏曲第2番の第２楽章の、ファゴットとクラリネットのコラール風のアンサンブル。ロシアの人々が歌う素朴な聖歌のようでした。ファゴットとクラリネットのハーモニー、私の大好物です。
最大のガッカリは、組曲第4番「モーツァルティアーナ」の第１楽章。これは、モーツァルトの原曲「アイネ・クライネ・ジーク ト長調KV.574」をチャイコフスキーがオーケストラのために編曲した音楽です。この原曲は小さく短いものですが、プロコフィエフのような現代的でモダンな感覚がある傑作だと思います。しかし紀尾井の演奏はゆっくりめ。この鈍くさく、ダサいテンポ感には失望しました。原曲の良さを殺してしまった。この動画は、アンドラーシュ・シフの演奏。このテンポ感は、まあまあ標準的なものだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=9a1phByRPKo
ブルネロのチェロ独奏と指揮の兼務、パリッとしていなかった。また長い弓を指揮棒のように振る姿、窮屈そうで様になっていなかった。コンミスの玉井は、もっとブルネロのフォローしてあげてもよかったと思います。アンサンブルは正確でも、音楽的には全然、楽しめなかった。10年ぐらい前、私が水戸芸術館で聴いた時のブルネロは、もっと自由でのびのびと演奏していたような気がします。
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