mixiユーザー(id:17423779)

2018年03月06日05:52

122 view

堀江敏幸・中島京子・酒井順子・高橋源一郎・内田樹『作家と楽しむ古典 土左日記 堤中納言物語 枕草子 方丈記 徒然草』河出書房新社 2018年1月刊

昨日拾い読みした本。
堀江敏幸・中島京子・酒井順子・高橋源一郎・内田樹『作家と楽しむ古典 土左日記 堤中納言物語 枕草子 方丈記 徒然草』五所純子 構成。河出書房新社 2018年1月刊。

https://bookmeter.com/books/12545148
https://www.amazon.co.jp/dp/4309729126
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309729121/

「土左日記から徒然草まで、人気作家たちはどう捉え、どう訳したのか。古典作品への誘いとそれぞれの文学論が楽しい大好評の古典講義。」

2016年11月〜2017年5月、丸善ジュンク堂書店池袋本店と渋谷店で開催された「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」連続講義「作家と楽しむ古典」の書籍化。

酒井順子「枕草子 清少納言は「あるある」のパイオニア」と、
内田樹「徒然草 五感をフルに稼働させて書いた」だけ読みました。

『日本文学全集』で発表された枕草子と徒然草の新訳全文を読む気力はありませんが、お二人の講義は面白く読めて勉強になりました。

高橋源一郎訳「教育勅語」p.123 にも驚愕。

「[第一段「春はあけぼの」を」迷いに迷った末に、「春は、夜明けが好き」と訳しました。「好き」という言葉を入れたんです。

『枕草子』は全編にわたって、好きと嫌いの感情について語っている作品とも言えます。ただ、「好き」や「嫌い」という言葉は、当時、まだ存在しないんですよね。感情としては存在したでしょうが、今で言う「好き」という感情を「をかし」「あはれ」「こころときめき」など、様々な表現であらわしています。

清少納言は「好き」「嫌い」の区別が非常にはっきりしている人だからこそ、最初にはっきりと「好き」という言葉を入れておきたかった。」p.102


「『徒然草は日本人の美的感受性の基準をつくったマニュアルみたいなものです。

兼好法師が書いたオリジナルを、後世の多くの人が筆写して、それが流布した。「日本人はこういうところに美的感動を得るものである」というカタログみたいなものですから、それが受けたんだと思います。そのカタログが室町時代、江戸時代、明治以降の近代と読み継がれた。

今ぼくらが、『徒然草』を読んで「なんだ、現代人と同じだな」と共感するというのは正確ではなくて、現代人の感受性の構造をかたちづくったのが『徒然草』のほうなんです。」p.179

「基本的に、文体の構成は模倣から始まります。誰でもそうだと思います。僕[1950年9月生まれ]もいろんな先人の文体を模倣しました。

最初に影響を受けたのは北杜夫[1927-2011]です。小学校五年生のときに『どくとるマンボウ航海記』を読んで、数年間は北杜夫みたいな文体で書いていました。

高校生以降で大きな影響を受けた書き手というと、
橋本治[1948年3月生まれ]、
椎名誠[1944年6月生まれ]、
高橋源一郎[1951年1月生まれ]、
伊丹十三[1933-1997]、
関川夏央[1949年11月生まれ]、という辺りでしょうか。

エッセイの文体は村上春樹[1949年1月生まれ]にものすごく影響されました。

政治的な書き物だと
吉本隆明[1924-2012]、
廣松渉[1933-1994]、
丸山眞男[1914-1996]ですかね。」p.184

読書メーター 内田樹の本棚
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091557
の登録冊数は8冊です。

酒井順子の本棚
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11092015
の登録冊数はまだ3冊。


0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する