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2018年02月12日00:21

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「RAW〜少女のめざめ〜」を観ました



久しぶりに、元気な食人映画が公開されました!
しかも、監督はまだ新人のフランス人女性。
食人映画の遺伝子は着実に受け継がれているようで、頼もしいです。

観た人は誰もが感じるはずですが、この監督は変態です。
その純粋で力強い異常性欲を、調理する事無く生のまま観客に投げつけてくる映画がこの「RAW〜少女のめざめ〜」なのです。

邦題が分かりやすいのですが、少女が食人の楽しさに目覚める過程を描いた映画なのですが、最初から色々と説明なんかはしてくれません。
出来るだけ早いうちに、この映画をちゃんとしたものだという認識は捨ててしまう方が良いでしょう。
監督の思う、最高に面白くって気持ちの良いシーン(多くの人にとっては飛び上がるほど悪趣味でエゲつないシーン)を惜しみなく連射する、景気の良いパーティー映画として捉えた方が素直に楽しめるはずです。

もちろん、これが大人の女性になる事、恋や性欲を象徴しているのだろうという事は誰にでも分かると思いますが、別に食人で描く必要は無くない?とも思うはず。
これに対し、監督の思いは明確でしょう。
「普通の青春映画なんかより、食人の方が面白くね?」
その通り、そして実際面白い!

この映画では異常な事ばかりが延々と登場しますが、すべてにおいて説得力があります。
それは、監督が本当にこういうのが好きでたまらないという感覚がビンビン伝わってくるからです。
こういう映画は、例え自分がその趣向に合わなくとも、清々しい気持ちになるものです。
かつて、ピーター・ジャクソン監督の映画「バッドテイスト」のビデオのジャケットに「グロッとさわやか」という素敵なキャッチコピーが書かれていましたが、それはこの映画にこそ相応しいと思います。

アート映画的な美しい構図と、ホラー映画的な下品でベタな演出が混在するのも独特で面白いし、音楽も効果的に使われていて素晴らしい。
監督の直観と美意識が貫かれているのに、きちんとエンターテイメントとしての面白さを保てているのも、見事なバランス感覚です。
この監督は今後、面白い映画をたくさん提供してくれるはず。
期待で胸焼けがするほどです。

それにしても、こんな変態映画に素晴らしい演技で応えた役者陣には、本当に頭が下がります。
どれだけ人が良いのでしょうか。
「コレ、最近出た映画なんだけど・・・」と、家族や親戚に紹介できるのでしょうか。
特に主役の人は、女なのに立ちションをし、ゲロを吐き、丸出しの陰毛をガムテープで引き千切る!
嫌なら断っても良かったんですよ、と声をかけたくなります。
それとも、フランスではこういう行為はカジュアルに、学校や職場で頻繁に行われているのでしょうか?

昨年は韓国映画にどうかしているものがたくさんありましたが、今年はフランスのターンという感じで、やっぱりフランスのホラーは見逃せません。
誰が何をやっても「いかがなものか」という意見を言う連中に溢れている世知辛い世の中ですが、この自由過ぎるフランス映画を観て、みんな元気になって欲しいですね!

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