いつもきくふもとの里とおもへども昨日にかはる山おろしの風
後徳大寺左大臣 [藤原実定]
文治六年女御入内屏風に
新古今和歌集 巻第三 秋歌上 288
「いつも聞く麓の里とは思うが、昨日とは変って聞える山おろしの風よ。」『新日本古典文学大系 11』p.98
文治六年(1190)正月女御入内御屏風和歌 七月。図柄は「山里幷人家に風吹きたる所、荻あり」(秋篠月清集[藤原良経の家集]による)。
女御 後鳥羽天皇女御藤原任子。兼実女。
山おろし 山から吹く秋冬の風。
参考「いつも聞く風とは聞けど荻の葉のそよぐ音にぞ秋は来にける」(紀貫之 古今六帖六)。
「立秋」「初風」の歌。
藤原実定(ふじわらさねさだ 1139-1191)平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての公卿・歌人。俊成の甥。定家の従兄。
千載集初出。新古今十六首。勅撰入集七十九首。
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では花山院と番えられている。
小倉百人一首 81 「ほととぎす鳴きつる方をながむればただ有明の月ぞのこれる」
http://bit.ly/13nwKD4
http://bit.ly/13nwBQc
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