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2017年05月28日23:02

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切り返しのメカニズム

どこかのバファリンと似ていて、切り返しの半分は「やさしさ」でできている(笑)。

「相手の説をいったん許容すること」がコツだ。「いったん」というのがミソである。全面的に受け入れるのではなく、その許容範囲については残る半分の悪意を用いるw。

「切り返し」の私的な定義は「相手の説を認めた上で自分の主張の根拠・理由・前提とすること」だ。いわば相手発言を踏み台にすることでそのまま相手の反撃を封じつつ瞬時に放つカウンターである。

その性質上、切り返しが決まると相手は防御もできず反撃も困難でありダメージが大きい。反面、失敗すると中途半端に受け入れたことがアダになりやすい諸刃の剣であるというところまでボクシングのカウンターに似ている。

切り返しは「技術」なので、真に理解するには論理構造の理解が必須だ。(中には天然センスで切り返しが上手な人もいるが、他人に説明できない技術はいかにももったいない)。

といっても複雑なものではない。全ての発言は論理的構造を持つか持たないかの2種類であるというところからはじまる。

では論理的な構造とは何か?というと「前提・理由・根拠」から展開されて「結論・主張・結果」が導かれるという構造だ。切り返しを用いるには、相手の発言が論理的であるかどうかの見極めが大切だ。

たとえば単に「暑い」という発言は論理的ではない。「夏だから暑い」とか「走ってきたから暑い」となれば論理的構造を有することになる。たったこれだけのことだが、学校で教えていないので理解していない人は想像以上に多い。

論理的ではない発言単体には切り返しは発生しない。せいぜいが複数の論理的ではない発言単体に生じる矛盾の指摘ができるだけだ。上記事例でいえば「暑い」という前に「涼しい」と語っていたのならば矛盾があるので「矛盾の指摘」はできるが、これは「切り返し」ではない。

話を「切り返し」に戻す。「「切り返し」には2種類ある。着眼点をどこにするかと言う違いだ。

では私がSNS上で行った「切り返し」の具体的事例を提示していこう。

●「前提・理由・根拠」への切り返し具体的事例
私「死刑制度には一定の抑止力がある」
空き缶「死刑制度には一切の抑止力はない。たとえば死刑が目的で犯罪に及ぶ者すらいるじゃないか」
私「なるほど。わざわざ特別な事例を挙げたのはなぜですか?」
空き缶「こちらの主張を立証するために、あてはまる事例を提示しただけだ」
私「それはとりもなおさず『主張に当てはまらない事例がある』とあなた自身が自覚している証左じゃないのですか?『一切の抑止力がない』なら、わざわざ当てはまる事例を探す必要すらないはずでは?」
空き缶「・・・。」
 
空き缶さんの前提は「たとえば死刑が目的で犯罪に及ぶ者すらいるじゃないか」で結論は「死刑制度に抑止力はない」となる。

これは「前提・理由・根拠」に狙いを定めた切り返しとなる。

わざわざ切り返しを用いずとも『私は死刑が嫌だから犯罪をしない』という「例外」を示すだけで「死刑制度に一定の抑止力がある証左になる」としてもよかった。というかこちらが正攻法だろう。

空き缶さんの出している前提にヌケモレがあるので、それこそどこからでもツッコミ放題ではあったが。とはいえ普通に指摘するよりも「切り返し」のほうが相手の言い分を踏み台にしている分、相手には強烈に「刺さる」わけだ。

なおもう一つ学ぶべきは私の主張の「一定の抑止力」という表現だ。くれぐれも「絶対」「全部」「一切」という表現は慎むべきである。議論に勝つには「謙虚さ」が必要だ。空き缶さんは「一切」を用いたので切り返しの餌食となっているわけだ。


●「結論・主張・結果」への切り返し
これはもはや何でもよいのだが、相手の主張を聞いた時に「貴方が私と違う考えを持つのはあなたの自由。同じように私があなたと異なる考えを持つのは私の自由。」というもの。

1つ目の「攻撃的切り返し」「戦術的切り返し」に対しての「防御的切り返し」「戦略的切り返し」とでもいえようか。

相手の主張自体は否定しないが、同様に自分の主張の余地も認めさせるというもの。これがあればまず相手に「一方的に攻め込まれる」ことはない。買いたくもないツボや印鑑を交わされることもないし、妙な宗教に入信することもないわけだ。前提の否定に比べると反撃能力は低めだが、なにせ適用できる範囲が圧倒的に広く、手軽に用いることができる切り返しである。

もっと単純には「相手の発言の単語1つを取り出してオウム返し」だとか「それがどうした」でも良い。なにせあなたの意思決定をできるのはあなただけであり、あなたが同意しない限り相手は好き勝手にできない。意に反する侵略者に屈してはならない。あなたの意見はあなたのものであり、あなたの領域にあるのだ。私のこの文章を「なるほど」と思って認めてもらうのにも、私はあなたの同意を得なければならないわけだ。
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