南無阿弥陀仏(ほとけ)のみ手にかくる糸のをはりみだれぬ心ともがな
法円上人
臨終正念(しやうねん)ならんことを思(おもひ)てよめる
新古今和歌集 巻第二十 釈教歌 1924
「「南無阿弥陀仏」と名号を唱えて、阿弥陀仏の御手にかける五色の糸が乱れないように、臨終の時に、とり乱さない心でありたいものだ。」『新日本古典文学大系 11』p.561
梁塵秘抄二。
臨終正念 死に臨んで、心静かに阿弥陀如来の来迎を待つこと。
糸 青黄赤白黒の五色の糸で、阿弥陀如来の像の手にかけ、臨終の人が、片端を握って極楽浄土への迎えを念じた。
みだれ 「糸」の縁語。
上句が有意の序となる。
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