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2017年01月22日04:58

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なほ頼めしめぢが原のさせも草(ぐさ)わが世の中にあらんかぎりは

なほ頼めしめぢが原のさせも草(ぐさ)わが世の中にあらんかぎりは
 新古今和歌集 巻第二十 釈教歌 1916[巻頭歌]

「わたしを頼みにし続けなさい。たとえあなたが、しめじが原のさせも草のように、胸を焦がして思い悩むことがあっても、わたしがこの世にいる限りは。」『新日本古典文学大系 11』p.559

袋草紙[ふくろぞうし 平安時代後期の歌学書。藤原清輔著]上、「もの思ひける女の、はかばかしかるまじくは(願いを聞き届けてもらえないようなら)、死なむと申しけるに、示しける」。
なほ頼め 「ただ頼め」とも伝承された(沙石集[しゃせきしゅう/させきしゅう 鎌倉時代中期、仮名まじり文で書かれた仏教説話集。十巻]五本)。
しめぢが原 下野国の歌枕。させも草の名所。
させも草 艾(もぐさ)。後世、この歌から「一切衆生[いっさいしゅじょう]」「人間」をあらわす語とされた。
清水寺本尊、十一面千手観音託宣歌。

釈教歌は、仏菩薩の託宣歌・仏菩薩の化身(権者 ごんじゃ)とされる高僧の歌・経典の趣旨や教理を詠んだ歌・法会の際の歌(法縁歌)などを並べる。巻頭に託宣歌を配して、神祇歌に対応。

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