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2016年12月27日05:33

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東海林さだお『シウマイの丸かじり 丸かじりシリーズ39』朝日新聞出版 2016年11月刊

昨日読み終った本。
東海林さだお『シウマイの丸かじり 丸かじりシリーズ39』朝日新聞出版 2016年11月刊。

http://bookmeter.com/b/4022514345
https://www.amazon.co.jp/dp/4022514345

「デパートの駅弁大会でゲットしたのはシウマイ弁当一個…待ち受ける「内臓たち」をどう説得するのか!?
食べ物への好奇心と探求心は健在!

「秋刀魚の歌」のさんまは
ブロッコリーはなぜ暗いか
鴨に目覚める
梨に疑惑あり
いつか「大豆感謝の日」を
海鮮丼の悲劇
焦熱地獄グラタン
牛肉弁当、
シウマイ弁当と化す
・・・などなど。」

『週刊朝日』2014年10月24日号〜2015年7月10日号連載「あれも食いたいこれも食いたい」36回分。丸かじりシリーズ第39作。

前巻『メンチカツの丸かじり』の刊行が2015年11月でしたから一年ぶりです。

一気に読んでしまっては勿体ないので毎日少しづつ読んで十二日間楽しみました。

ウィキペディアによれば東海林さだおさんは1937年10月30日生まれの傘寿です。
来年も40冊目が読めますように。
ご健啖ご健筆を祈念いたします。

「鴨南蛮を食べていたのである。

脂身のところを食べていたのである。噛みしめながらたまらなかったのである。

この脂に卵がからまり、コロモがからまり、熱が加わり、脂に油が加わったら、あー、もー、どうしよう。

鴨南蛮の中の鴨肉、あの鴨肉は薄切りが多いが、あれをうんと厚切りにし、大きさもトンカツ大にしてコロモをつけて油で揚げたらどんなにおいしかろう。

鴨南蛮の中の鴨肉でさえあんなにおいしいのだから、それをカツにしたらどういうことになるか。
 … 
「そうだ、デパート行こう」
吉祥寺の東急デパートに駆けつけるのだった。
本鴨 葉書大、厚さ2センチ、重さ496g、3446円」
p.26 鴨に目覚める


「これまで吉野家では、人々は黙りこんでいた。

黙りこんで牛肉の一片を口に入れ
ツユだくのごはんを食べ
紅生姜をときどきつまみ
雨にも負けず、風にも負けず
毎日吉野家に通い
丈夫なからだを持ち
いつも静かに笑って
牛丼(並)を食べている

そういう人々で吉野家のテーブルは埋まっていた。吉野家はいつも静寂の中にあった。

 … 

いま吉野家や周辺では「吉飲み」という言葉がしきりにささやかれているという。

「吉飲み」とは何か。
吉野家で酒を飲むことだという。

ぼくはこれまで、吉野家で牛丼を食べているとき、いつも、ここでビールが飲めたらなあ、と思っていた。

丈夫なからだを持ち、いつも静かに笑って牛肉の一片を口に入れ、ツユだくのごはんを食べながら、
「いまここでキューッと一杯ビールを!!」
と何回心の中で叫んだことか。その夢がついに実現することになったのだ。

JR神田駅高架下の吉野家の二階への階段を駆け上がる。」
p.110 丈夫なからだで「吉飲み」

久住昌之・土山しげる『漫画版 野武士のグルメ 2nd』幻冬舎 2015.3
http://bookmeter.com/b/4344027396
の「午後の牛丼屋でちょい飲み」でも主人公が冷酒二本・牛皿・生玉子1070円を楽しんでいたなぁ。

読書メーター 東海林さだおの本棚(刊行年順)
http://bookmeter.com/u/32140/cat/9043
の登録冊数は53冊です。

読書メーター 食べ物の本棚
http://bookmeter.com/u/32140/cat/456
の登録冊数は272冊です。
エッセイ、小説、マンガ、絵本などを著者名の五十音順に並べています。

ご笑覧いただけましたら幸甚と存じます。

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