■ シマノのデュアルコントロールレバーのシフトケーブル
シマノのデュアルコントロールレバーは、どんどん進化しています。現行モデルは上位のデュラエース、アルテグラ、105は、シフトインナーケーブルをホルダーへセットするのにシンプルで分かりやすい、同じやり方で行います。
それまでのデュアルコントロールレバーは、小さなネジで固定された、絶対に現場では無くしてしまいそうな小ねじで、変速レバー兼ブレーキレバーの先端の金属製カバーを取り外してからインナーケーブルを通したり、何だかなーな整備の面倒な構造を平気で採用していました。
あの小ねじやカバーはレースの現場では超不評だったと思います。だって、固定する小ねじは小さな+ドライバーで回すことになるし、小さいネジだからなくしやすいし、芝生の上にでも落ちたら捜索隊を出しても見つかりそうにありません。
だから、この小ねじとプレートのセットをいくつかスモールパーツケースに入れているメカニックもいたほどです。しかも、レースの現場ではシマノのスタッフがどうせ無くすだろうというのでしょう。小袋にたっぷり詰まった、この小ねじを配っていた記憶があります。
現行モデルは変速レバーのリターン側をから打ちして、ニップルホルダーの位置を初期の位置へ戻し、ブラケットを真横からシフトインナーケーブルを貫通させて、ブラケットのプラスチックのカバーを浮かせて外します。
ブラケットのガイドの溝にそってシフトインナーケーブルを引いて、ふたを戻すだけでセットできます。ただし、インナーケーブルを軽く引きながら、巻き取り部分のホルダーにニップルがおさまるように注意します。
変速レバーを操作して、ホルダーにニップルが奥まで収まり、シフトインナーケーブルが巻き取り部分に組み込まれたラチェット機構で、段階的に巻き取られる事を確認します。
初期のデュアルコントロールレバーより、ケーブルの巻き取り部分の流れがスムーズになるように改善されて、レバーの操作の軽さを実現しています。しかも、インナーケーブルの曲がりも急ではなくなっているので、フリクションだけでなく、インナーケーブルの曲がりによる金属疲労的なダメージも発生しにくくなっています。
ブラケットの形状も改善されています。メカニカルでブラケットにおさまるメカニズムがあるのに、かなり細めに絞り込まれて、手の小さいライダーでも握りやすく、変速レバーもブレーキレバーも、ブラケットを握ったまま操作しやすくなっています。
とにかく変速レバーのストロークも小さくなったし、さらにインデックス変速の操作が軽くなっています。もっとも改善されたのは左レバーのフロントの変速のストロークと軽さです。旧モデルとはまったく別物で、これなら女性ライダーでも納得です。
年末にリリースされるデュラエースは、フロント変速機のアームは短くなり、シフトケーブルのルートは1つになり、メカニックは新しいルートのインナーケーブルの通し方を覚えなければいけなくなりましたが、とても組みやすくなりました。引きも軽いですよ。
シフトインナーケーブルと、アウターケーブルの寿命は2年くらい、走行距離にして1万kmから2万km。金属疲労が心配な人は年に1回交換しましょう。踏み込みながらの変速が当たり前になっていますから、思っている以上にダメージが蓄積しやすいからです。
ログインしてコメントを確認・投稿する