「昨夏、つくば市で野村萬斎に会った件」の顛末

昨年の夏のことです。
「所用でつくば市へ行った時、野村萬斎に会った…」と
ワタクシ、つぶやきました。
マイミクのお友達のみなさん、覚えていますか？

その時、具体的なことは書きませんでしたが、
今ならその時のことを詳しく書くことができます。
映画のロケ現場で会ったのです。
ワタクシ、つくば市のノヴァ・ホールの聴衆のひとりという
エキストラのボランティアだったのです。

それは、いばらきフィルムコミッションからメールがきっかけでした。
「野村萬斎が主演する映画のエキストラ募集。場所はつくば市の音楽ホール」という内容。
つくば市の音楽ホールといえば、ノヴァ・ホールしかありません。
私、これまで小菅優や河村尚子らのピアノリサイタルなど
何度もここでクラシック音楽のリサイタルを聴いてきました。

最初、野村萬斎が「のだめ」のような音楽映画に出ているのかな…と思い、
クラシック音楽好きの私は興味が湧きました。
野村萬斎はちょっと気になる狂言師であり役者でもあります。
ロケの日が、ワタクシにとって都合がよい日だったことも幸運でした。

行ってみると、それはピアノコンクールのシーンでした。
CMで見たことがある可愛らしい女の子がピアノを弾いているところを
客席でみているだけのエキストラです。
しかし、なかなか楽しめました。
拍手のタイミングなど細かい演出が監督から入りました。
それと、ワタクシ、モノが製作されている現場がとても好きだからです。
それは建築現場と似た緊張感があるからです。

この映画の主演の野村萬斎と宮迫博之のシーンは
午前中に撮り終わってしまっていたそうです。
しかし午後のピアノコンクールの撮影前に彼らのトークがありました。
彼らはなかなかの話し上手でしたよ。
ワタクシは、ただ座って見ているだけのエキストラですが、
それでもテンションがあがりましたｗ。

その映画というのが、先週、封切られた
「スキャナー、 記憶のカケラをよむ男」（監督：金子修介）でした。
その映画を昨日、ひたちなか市のシネコンで見てきました。
運良くファーストデイだったので、1,100円で入場(^_^)v

この映画は、いくつもの断片的なエピソードが、
最終的に糸になってつながるというのがオチのミステリー映画です。
映像的には地味でしたが、それを補うだけの
演出と編集と脚本がよくできている作品だと思いました。

ワタクシがこれまでみてきた野村萬斎の舞台や映画は
雅人や古人であることが多く現代劇ははじめてでした。
現代劇でも所作のひとつひとつが狂言の動きっぽくなっていて
コミカルであり怪しい感じが独特でした。

それと印象に残ったセリフがあります。
「才能は人を幸せにするためのものよ…」という
ピアノレッスン中のピアノ教師の言葉です。
天賦の才は自分のためだけのものではないと
弟子を悟すシーンで出てきます。

ワタクシのもっとも楽しみにしていた
ノヴァホールのエキストラ・シーンの方は、
数時間かけていろいろなカットが撮ったけれど、
映画では数分間しか使われていませんでしたが、
しかし映画では重要な場面だったので満足。
なかなか上手に編集されていました。
一瞬でしたが、ピアノコンクールの聴衆として
映っていることを確認できました。やった(^_^)v
しかし、ワタクシしか確認できないと思います。

映画を見ながら、主演のひとり宮迫博之の声、
どこかで聴いたことがあるなぁ…とずっと思っていました。
帰宅してから調べてみると、先日DVDでみたばかりの
アニメ映画「ピアノの森」で主役にピアノを教える 阿字野壮介という重要な役でした。
見た目とちがって、彼の渋めの声、なかなかイイと思いました。

ちなみにワタクシが映画等にボランティアでエキストラに出たのは
今回で３回目です。
最初が2010年に映画「桜田門外ノ変」（主演：大沢たかお）。
２回目が2012年にNHK正月時代劇「御鑓拝借−酔いどれ小籐次留書」（主演：竹中直人）。
どちらも時代劇でした。
参加してみたいと思った理由が、江戸時代の人として、
当時の擬似体験できると千載一遇の好機と思ったからでしたが
それに見合うすばらしい体験ができました。
おまけに映像として自分が姿が一瞬だけ残っていますし…ｗ。
3回目のエキストラは、
私が好きなクラシック音楽を熱心に聴くシーンだったとういのが
ワタクシらしいです。

茨城には県が主導する「いばらきフィルムコミッション」というものがあります。
映像制作会社が集中する東京から近距離にあること、
さまざまなシーンの撮影に対応できるロケ適地を数多くあることなどあって
映画やテレビドラマ等のロケが茨城県で数多く行われています。
エキストラの案内のメールは週１のペースで来ています。
４回目はあるでしょうかｗ。


あっ、最後にひとつだけ。
映画「スキャナー」の予告編の45秒目に
一瞬、ノヴァホールのピアノコンクールのシーンが映っていました。
ワタクシはここには映っていませんが、感じが分かると思います。

https://www.youtube.com/watch?v=bO5h6iRfCOY