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2016年02月07日21:19

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「準・音信不通」状態であったが故に

 
「バックパッカーの末路」という題名のインタビュー記事があった。


http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/15/238739/020200129/?rt=nocnt


ほほう、なかなかエキサイティングに(若い)読者を挑発する内容ではなかろうか!!と、近年珍しく痛快な「人生論」に大いに賛同した・・というのも私自身が「バックパッカー」上がり故に、その主張にシンパシティを感じるからなのだが(笑)



で、早速この記事をFBでシェアしたら友人からコメントがきてちょっとやり取りをした。


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友人 Wi-Fiがあれば毎日でも自宅に無料で電話出来る今の時代のバックパッカーってどうなんでしょうね。逆に旅がそこまで人生への影響力がないような気がしますね。



私 .それでも旅というステージでなくては「出会えない」人・・・は現在でもいると思うよ。


友人 もちろん価値はあると思っていますが、、、自分が昔惨敗したインドの場所にもう一度行ったらどう感じるか?時代の変化と自分の変化でどんなことになるのかを見てみたい気がしています。


私 なるほど。ただ貴君も私もいわゆる「私探しの旅」はもう不要ざんすね(笑)


友人 自分探しより、自分忘れがしたいです 笑


私 貴君は現在も「新しい企画」を試み続けているし、私も自分の命題へのアプローチを歩み続けている・・・これらもまた「終わりなき旅」といえるのではないだろうか?


友人 そんなカッコ良くないですけどね 笑


私  あははは・・・ちょっと年甲斐もなく『青臭い』かもね。


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・・・という具合である。

因みに彼は私の「旅友達」の一人であり、紆余曲折の「バックパッカー」生活時代を経て、現在はバンコクにてプロモーション&コーディネート企画会社を起業・運営しており、ジャンルや経営規模の違いはあるにしても記事でインタビューされている方と同じような境遇に属するだろう。


でまあ、我々がバックパッカーとして各地を右往左往していた頃とは大いに状況が異なるよなあ・・・と私も痛感しているのは、旅の途上における「情報環境」である。


当時はネットもメールもスカイプもスマホも携帯もタブレットやノートPCもまだまだ存在しない時代であったが故に、とにかく「旅の情報」はガイドブックに載っているものしか事前に入手できないし、後は「旅先で出会った人物」から「口コミ」でもたらされるもの・・こそが最大の「生きた情報」でもあった。


そしてまた日本にいる家族や友人たちとのやりとりはほとんど「手紙」に限定されていた。

もちろん当時も「国際電話」は可能であったが、インドや東南アジア地域では回線の安定した接続がなかなか確保されなかったので、「電話で用件を済ます」こと自体が半日仕事だったりした(笑)・・だけでなく、

現在のようなネット回線網を利用するIP電話とは違って料金もかなり高くつき、「バックパッカー=貧乏旅行者」にとってはあんまり気軽に利用できるものではなく、どちらかと言えば重篤なアクシデントに遭遇した際の救援依頼の「非常手段」と位置づけられていた感があった位である。


だから我々は旅先からせっせと手紙を書いたものなのだが、それに対して返事が来るかどうか自体確証はないし(郵便事情の宜しくない国では、「手紙の投函」自体がある種のギャンブルですらあった・・笑)、ありがたくも返事がもらえるとしてもそれは早くても1週間後・・なんて具合であった。


というような状況だったから、日本にいる家族や友人・知人たちとは「準・音信不通」状態・・こそが普通なのであり(まして相手も「旅の途上」に在る場合は連絡の取りようがない)、逆にそれ故に旅の期間中にあっては「既存の人間関係」及びそれと不即不離である「社会生活の枠組み」から一時的ではあれ解放されている状態・・でもあったわけで、

その状態ならばこそ容易に「自由」を実感できる滅多にない契機であって、必然的に様々なレベルや視点で「私とは何だろう?」という問いかけに疲れ果てるまで対峙出来る・・・・(笑)


またそういう状況なればこそ、旅の途上での様々な出会いはとても新鮮で濃密なものであり、そのような「これまで全く思ってもみなかった(既知のレベルを越えた)」ものごとや人物と遭遇することで、

その後の人生に多大なる影響を及ぼし、あるいはその出会いによって「人生を一変させる」ような事態へと発展していく・・・ことになったりもしたわけで、それこそが「バックパッカー旅」生活の最大級の魅力!!なのでもあった。



と、あえて過去形で書いたのは様相が随分異なってきたからでもある。


現在では、あまりにも過剰な「情報環境」を旅の現場に引き連れていく・・わけであり、それはそれで大変便利この上ないアイテムであろう・・・私にしても毎度ながら「次回はいよいよ『自前のネット端末』を持って行くかな?」と考えているわけだし。


そしてそれは日本にいる家族や友人たち、あるいは相手も旅の途上であろうとも即時に連絡が取れるわけでもあり、それは便利であると同時に前述したような「既存の人間関係」及びそれと不即不離である「社会生活の枠組み」もまた旅先にまで引き連れていく・・ことになってしまうわけでもある。



かくして当然の事ながら、


「これまで思ってもみなかった(既知のレベルを越えた)」ものごとや人物と遭遇することで、その後の人生に多大なる影響を及ぼし、あるいはそれによって「人生を一変させる」ような事態へと発展していく・・・ような濃密かつ新鮮な出会い・・・

の契機が大変減少してしまっている・・・ように感じられるわけで、その点が私の友人のコメントにある、

「Wi-Fiがあれば毎日でも自宅に無料で電話出来る今の時代のバックパッカーってどうなんでしょうね。逆に旅がそこまで人生への影響力がないような気がしますね。」

という内容に反映しているわけでもある。



彼は現在ではもちろん自前のネット端末を以てあちこちへと旅をしているのだが、それは「仕事の為の移動」であり彼のビジネスのために必要必須なツールである。

しかしながらそのビジネスの展開プロセスにおいて「新たなる濃密な出会い」と遭遇し続けている・・・のであろうことが、彼がSNSに掲載する記事から十分に伝わってくる。



そして今は中年の「おっさん」となった彼の元には会社の求人活動などを通して、いわゆる「私探し」を求めて就職活動をする青年たちと接する機会も多い・・のだそうで、彼らの口にする観念的な「私探し」には大いに「違和感」を禁じ得ないらしい。



さあて一方の私も果たして「バックパッカーの末路」としては、なかなか変梃な人生を送っているのであるが、彼とは違ってビジネスの現場にはいないものの、スピリチュアリティ関連業界?の一端においてそれなりの活動を展開しているわけではある。


そしてむしろ「情報発信」者として、「ラマナ・マハルシの臨在」サイトを管理運営しているわけなのだが、どこかこう「違和感」というより「隔靴掻痒」的なもどかしさ・・を常々感じている。



・・・・というわけで話が長くなるので(笑)次回に続く。






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