mixiユーザー(id:366862)

2013年05月22日12:41

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PCの弱点というか、ツボというか、オチるポイントというか

そういう、シナリオ内で出会いたいホニャララ、みたいなエッセンスって
体系だてられることってあるのかな、というようなお話を
このところ何人かとする機会があって
自分でも興味がわいたり。

コロっと落ちちゃったり、飛びついちゃったり、
そのキャラの行動・思考指針を直接他者からの影響でいじられるような現象について

ウチのキャラ群はなにか弱点を持つだろうか?


土曜日はシルバーレイン、かのすけ氏GM。田浪音澄、ネコをかみます。の巻き。
日曜日はBoA、ましゅまろまんGM。で、そのコイン持ってるとなんだって?一枚に付き一人、白鳥人を服従させられるって?の巻き。


新歓の練習で使ったPCをそのまま使って挑めた今回のシルバーレイン。
PCのコンセプトは「猫を噛む窮鼠」。

バケネコ系の怪異に
いつの間にやら家族と入れ替わられていた、
いわゆる「太郎婆」類妖怪の被害者でしたが、
自身が食われる段にいたって、こいつを偶然含めてカッター一本で撃退、
その才能を見込まれてギンセイカン学園に拾われた娘。

しかし、化け物に入れ替わられていたとはいえ
「家族の姿をしたものを自分で殺した」
というのは
強烈なトラウマ。

敵を倒したときに言うとヒーローポイントがもらえる、キャラシーに書かなきゃいけない決め台詞は、
「こんなつもりじゃなかった」。



さて今回のお話。
・町外れの洋館に、救われないままに居着き、人を誘いいれては返さない幽霊がいる
・ただ、彼らの後ろに黒幕がいる気配もある
という予報を受け、調査開始。

精神寄生体として人間の体をのっとって活動している(本来は)強大な悪魔、
歴史は古いながら落ちぶれた、とりわけ猫使役や猫変身の術に優れた魔術家系の少年とともに
ネコと怪物にトラウマを持つ少女が挑む。


学内で
・洋館に行くと、少年の幽霊に食事を進められ、食べれば彼らの仲間入り、食べなければ少年霊がたちまち怪物の正体を現して食われてしまう

という噂話を仕入れ、

町内で
・洋館は、100年ほど前のあるイギリス人の別荘で、囲った女性を暮らさせていた
・本人は本国に帰国したまま、こちらに顔を出していない
・本国のお妾さんも、出来た息子と一緒にこちらにきている記録があり、どうも本妻との間でだいぶもめた末のことらしい
・当時まだ危険度の高かった天然痘で、この洋館の住人は全滅している


という情報までを仕入れて、
洋館へ。


われわれを迎えてくれたのは少年の幽霊だが、
彼の出現直前の気配の描写で、ビビリの私は隠れる。

少年に聞けば、どうも自分たちが死んでいる自覚は持っていない。
父の帰りを、母や召使たちと数十年待ち続けていると言う。


食堂へ案内されていったほかのPCだが、
彼らは少年に食事を勧めながらも、「かくれんぼがしたい」と言う。
PCたちがご飯食べている間に隠れる、と食堂を出ていくので、
食事に参加していなかった私はなんだかそのあとをこっそり追ってしまう。

食事を勧められていたPCたちは、
そこに現れたコックと給仕の幽霊に
食卓に並べられそうになってしまうものの、
広範囲睡眠特技→逃走、の機転で難なく助かる。


とにかく一人でいるのが怖かったのか、
それとも仲間のために働いていようとすることで恐怖を打ち消そうとしたのか、
自分でもわけもわからず少年を追っかけて、その隠れ場所を見つけ出すべく、
少年の子供部屋に入ったネズミ娘は、
「こ、ここかなぁ〜?」なんていいながら、
ベッドに横たわった白骨死体などをみて恐怖を加速させていきつつ、
クロゼットの中に隠れた彼の元にだんだん近づいていく。

家に招き入れた覚えのない、見知らぬ女の子の接近に少年霊もビビり、
ついに顔を合わせたときには
両方の絶叫が響く。


何事かと駆けつける他PCの足音にびびったネズミ娘は
少年霊と一緒にクロゼットの中に隠れては
どうしていいかわからずドタバタし、

駆けつけたPCたちは
絶叫を最後に姿の見えなくなった仲間を心配しつつ
ポルターガイスト現象の如くバタバタゆれるクロゼットをとりあえず押さえつけようと
なんか重いものをその扉の前において押さえつけようとする。
ので出られなくなって、なお焦る中の人たち。
「いいいイグニッショぉン(武器を展開する宣言)!!」


ひとしきりバタついて冷静になった全員が
とりあえず少年霊自身の自覚も含め、事態情報のやりとりをする。
自分が死んでいることなど到底信じられないと言いながらも、
PCたちに指摘されて、
「自分の部屋の自分のベッドに、自分の服を着て横たわっている白骨」を
初めて認識し、
混乱の中、ともかく母親にいろいろと聞きたい、と
PCたちを広間に案内してくれる。


ピアノを弾いていた母親は、
少年に、「この人たちに話があるから」と、自室に戻る様に促す。

この女性が、実のところ、
幽霊たちに真実を見せず、
この世にムリにとどまらせ、
その絶望を、悲劇を、あるいは新たに足を運んでくる人々の恐怖と死を楽しみ、
それを継続させ続けていた、
少年の母親の霊に成り代わっていた悪魔である。


というわけでクライマックス。



さてこの事件、
ウチのネズミ娘には
引っかかるワードがたくさんあります。

というか、
シルバーレインに入るにあたって
せっかくですし「怪奇現象」事態に対して強力なモチベーションを持つのが
ひとまず大事だろうということもあり、
それにかかわること事態に、まず怯えと使命感を併せ持たせてはあるんですが、

そうした怪奇現象の中でも、
入れ替わられた家族、
むさぼられる獲物と狩人の関係、
というのはトラウマにもちろんかかわることですし、

仲間にネコがいるんだが
というのも良いスパイス。



ので、
飛びつける部分は沢山ある。
決着が付いた後、
少年霊に方便を使えず、
仮初のものであるとはいえ、彼の家族に手を掛けたことを謝ってしまったり。

除霊の定石としては
相手に納得してもらうことが第一であって、
自分に罪悪感があろうがなんだろうが、
生者の側に責があるような印象を相手に与えると、新たに祟られかねない様な気もしますが……
(GMもちゃんとそれを拾って、「このままじゃボク、お姉ちゃんを恨まなきゃいけなくなるよ!」なんて言ってくれました)。

ああでも、
成仏させきれない相手に対しては、
そうして一身に祟りを背負っていくようになるコもいいなあ。

いや、今回は
「パパも、ママだって、もう向こうで待ってるだろう」という事実が
少年の一番の成仏モチベーションとなりえたので
たたられたりはしませんでしたが。



さて、
そういう意味で「こっちが飛びつける」ような餌は容易に想像付くんですが、
こいつがオチるというかコロっといくというか
そういう「一緒にいると救われるだろう相手」みたいなのは
どんなんだろう。

こいつは
感情と使命感が完全に真逆を向いた
いわゆる「無理してるタイプ」です。

反感を意図的に抱かせること、
あるいは言うこと聞かせることだけなら簡単なんですが、

オトすのはちょっと難しい気がします。

感情か使命感のどっちかを肯定ないし否定すれば、何らかの自主モチベーションを「無理して」勝手に生みはするんですが、


この真逆の思考方向を、しかし
「両方肯定する」言葉が掛けられるだろうか?と言うのが、
一番ぱっと思いつく救済方法のミソと言うことになるでしょうか。


怪奇を退治する使命を奮起させるのでも、
恐怖や危険や同情から怪奇との戦いをやめさせるのでも、
多分どっちやらされても、このコは「ムリする」んですよね。

うん、ということは
共通点は「ムリしてる」ことであるわけなので、

それを肯定して、それをフォローしてやるという言葉が多分、簡単にキく。
存分にムリをしろ、というところでしょうか。

他にもなんかあるかもしれませんが
とりあえず自キャラにそういうフォローの出来そうなやつがいる的な意味ではこの辺が簡単に思いつくところ。




BoAは
とあるコインを巡るお話。

自分の家系に代々(つってもこの数代)伝わる、魔力のかかった不思議な意匠のコインの正体に興味を覚え、
それを調べるPC(アダマス推奨)と、


読み書きの能力を求める募集依頼書に闇の気配を感じ、
胡散臭さを感じながらその仕事自体を調べ始めるPC

の二人で参加。


身内の場合、
作りためてある持ちキャラを持ち込むのが通例に近くなっており、
ハンドアウトが当日開示であることが多いことも含め、
新キャラをその場作成するということは(時間の関係もあって)なかなかないのですが、


そのぶん、
シナリオ内、ハンドアウト内に存在する、
PCが飛びつく餌になるだろうワードをどのくらい拾えるか、あるいは予想できるかというのは
いつも悩ましいところです。


コイン調査のほうなら、
「家系と呼べるものがあり」「魔法の品物や財宝に興味を持ち」「アダマスでありながら」「出来れば、他でやる機会の少ないPC」

依頼調査のほうなら
「募集依頼自体に縁がある生活で」「もちろん読み書きが出来つつ」「闇を訝る、聖痕者としての自覚があって」「アダマスPCとコンビを組めるデータ構成であり」「出来れば、他でやる機会の少ないPC」

こういう条件で手持ちPCを検索していきます。

この辺の条件にどんぴしゃ合うPCがたった一人いればそれでいいんですが、
完全一致するPCは基本的にはいないか、あるいは候補が複数上がってくるので、
他PLと相談したり、
あるいはGMに「現在開示できるそれ以外のワードはないか」「あるいは新たに作って、シナリオに盛り込んでいいワードはあるか」
と聞くことになります。

そういう相談が出ているときというのはまあ実のところ
まあ偉そうなことを言えば
食いつく餌が足りてないぞ状態だという主張でもあるのでしょうが
まあ、すりあわせってヤツの範疇だとここではしましょう。


ここで、
「ケルファーレン公国の数代前の領主が、国そのものを賭けて魔神と賭け勝負をし、7度の勝負に7度とも勝利して手に入れた7枚のコイン」
という伝説、御伽噺が
アクトトレーラーとして発表されると、
またワードが増えてくれるわけです。


こうなんというか、
はっきり「闇のものと人間の関係」の一環であることが前面に出るなら、
PC2番目に限らず、1番目であってもあまり闇に対して無頓着なPCではさびしいところ、な訳で。


というわけで、
本当にずいぶん使ってない
「アングルス・クレアータ・アダマス」という
出現当初はヒロイン枠であった子供型クレアータを

「ヒロインである自分を救ってくれたご主人様」のおうちでコインを見つけた、これなんだろう
なモチベーションで
コイン調査ハンドアウトに臨む感じになったわけです。


相方は冒険者。
どんな依頼でもこなします。
それが故人の遺品整理のリスト作りなんていう
地味な作業であっても、
その中の一つである「不思議なコイン」の扱いになんだか困るような展開になっても。



どちらも調査を始めてすぐ、
このコインがケルファーレン関係のものである事はわかるのですが、
このコイン、レプリカと本物があるらしく、
しかし自分たちが持っているのは本物であるとか。

途中でアダマスにコインを譲ってくれと頼みに来たケルファーレンの使者の言葉では、
実は御伽噺には捜索の部分があるというお話。

実は「賭け」はいまだ終わっておらず、
その内容は、
相手は嵐神アーグリフであること、
「決められた年数内に、ハイデルランド全土に散った7枚のコインを全部集めて見せろ」というものだったようで。
その期日が、実はもうほんの半月ほどで来てしまうこと、
それがなしえなければ、公国に何らかの災厄を魔神が起こすであろうこと、
もうすでに5枚は集まっていること、
レプリカの作成は、伝説とともにそうした「伝説の物証」を少数自作・頒布・管理することで、ホンモノを含めた情報を入りやすい体制を整えたのだということ、
などを聞けます。


すでに5枚集まっている。あと二枚。そう、PCたちの手にあるものですね。

しかし、故人の遺品側。
これは、故人の死亡直前に所有権が他者に移っており、
遺品整理の先行きしだいでは、先方に渡らなければいけないもの。
その相手は誰かというと
もとケルファーレンの騎士であった(現在は追放されている)男だという。

事情を知りながらコインの行方を左右しようとしているのなら、何か思惑があるはずだと捜査を進めるうち、
別の魔神オクルスの使者が、「魔神たちのパワーバランス制御のために、今回は人間に勝ってもらわんと困るので、助言に来た」ということで、
件の追放騎士が、ずばりアーグリフの信徒であることを教えてくれる。
法にのっとっているウチはいいが、
業を煮やせば、武力で奪っていくことも「正当な所持権の移行」であると考えるような連中なのだ。


というわけで、魔印持ちかつ殺戮者という仮想敵に対して
協力者を探しあったすえ、
PC1とPC2がここで手を取り合えるのだった
というような展開。



この話は、
最終的に
「ケルファーレン公国の危機」(という、ともすれば他人事)に対して
自主モチベーションを持つことが
実はハンドアウト内にすでに匂わされていて、

PC1については、
コロナとかではなくわざわざ「アダマス」、騎士的な精神への登場要求と、
PC2については
闇の気配がどうとか言う、まあ聖痕者としての使命感への登場要求があり、

デフォルトでは、コレがあると初めてスムーズに、
「ケルファーレンに闇が迫っている」を解決しに行こうという流れになる様に作ってあるわけです。


今回はですから、
「アングルス・アダマス」で正解でした。
ケルファーレンのために無償で働く、という「大きな貸し」をご主人様に提出できたことになります。
自分では無自覚に。

単純に、
「人から頼られること」、「感謝されること」、という
一番シンプルな「肯定関係の構築」が
一番有効なタイプということになるでしょうか。



冒険者さんのほうはどうだったんでしょう。
彼の場合、「依頼」に対して真摯であるというのが
良く表面化するモチベーションなので
中盤だろうが終盤だろうが、NPCや他PCが心からの依頼をする、
まあ「絡みにいく」だけである程度なんでもやってはもらえるわけですが。




ふむん。
今回のキャラ達は、
あるいは他のキャラ群との共通項というと、

「理解」と「肯定」という大変シンプルな社会承認欲求を
高い精度で求めている
というのが
ウチのキャラ群の「オチる」ポイントなのかな
という風にも思えるなあ。


理解はしたが自分とは違うので好まない、というのならば
それはただの、普通の他人ねえということだし

理解しきっているかは怪しいですが貴方が好きです、とだけ言われるのであれば
それは私のどこが好きなのということだし


おなじ道を歩めなくとも、アンタのそのままそういう有様が一番いい、といわれると
多分コロっといくヤツ多いな。


受容欲というと幼いようでもありますが、
相互にこの関係が結ばれる状態を好むキャラもまた多いので、
存外階層の深い信頼関係を作れる場合もあります。


自分の個人的欲求を、相手が認め、好んでくれる。
では、相手のために出来る事は何か。
相手が好んでくれた自分の個人的欲求を全うする事が上がる。
自分の個人的欲求を追及することを、なんと自分のためでなく相手のために行えることになる。
この個人的欲求は、同時に「他人のため」という社会的欲求に化ける。

これを立場を逆にして考える。
つまり、相手は「私のために」相手の個人的欲求を追及する。
相手がそうしていることが、実は「半分私のため」にやっていることになるので、コレもまたうれしい。

こうなると、
たとえ道をたがえ、剣を交えることになっても、
合意と納得の元に行うことができる様になる。

もちろん、
これには、「相手の欲求を理解しよう、肯定しよう」という相互の恒久的モチベーションが不可欠で、
相手を否定しなければならない局面になったとしても、
「自分」でなく、「社会」でなく、「相手の立場」から相手を否定することを忘れてはならない、ような。


うん、肯定以前に「理解」ありきだなあ。
古くは妖魔夜行のモミジからそうだもんなあ。
よく考えれば「理解は他人である以上絶対出来ない。だからこそ、無限に努力し続けられるし、する義務がある」はヤツの持論だしなあ。
ツンデレという言葉が流行る以前からツンデレの権化だったような娘が
制御できない読心能力持ち、とかいう背景から発狂しそうな毎日を送る少年に出会ったとたんにコロっといったもんなあ。
ふむん。
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