＞現場は確かに想像を絶する程の複雑怪奇な様相を呈しているのでしょう。
＞だって鳩さん、最初の時と二回目と、明らかにトーンも言ってることも違う。
＞「どこにでもある当たり前の現場」と言っていたのが「こりゃまさに異常事態」だし。何か抑えていたマグマがぶっと出ちゃった、そんな感じがしました。
＞ここにこの問題の難しさ、複雑さ、一筋縄では行かなさ、があるのでしょう。
続けます。
もちろん異常事態なことは先週末から明らかだったので、
僕らも激しい危機感を持って、無理にも黒谷さんと翠を分離しようとしたわけでした。
そのことは正しかったと思います。
その結果、芝居がグスグスになってしまったとしても、
原因はなにもヤスダ―黒谷さんの行動にあったわけではなくて
さらに前からの積もり積もった状況こそが原因だとの
確信があったからだし、
たとえ確信がなかったとしても、あの状況ではやはり奪還のために
動いたであろうことは確かです、僕の場合。
ただ僕は、実行部隊にはなれなかった。
本当に迷いなく行動したならば、土曜の午後には体は空いていたので
それから駆けつけて最も嵐の激しかった日曜の夕方まで、
現地で動くことはできたはずなのでした。
彼女があそこまで傷ついてしまわないうちに
なんらかの有効策を取れただろうと思うと申し訳なく、
いざという時の自分のフットワークに関しては、不安を残す結果になりました。
かわって僕がやったことというのは、
パソの前になるべくいて、あらゆる情報をひとつにまとめ
メールと電話で状況を集めてはしかるべき人に手渡す、という作業でした。
世間的にはいままったく姿を消しているかのようなヤスダや黒谷さんの実像も、
それによりぼんやりと分かってきて、
彼女らの怒りや苦しみがまだまだ終熄してなどはいないこと、
そしてこの数日の小康状態は、彼女らにどうしても必要であるだろう休息と
一座の京都公演に向けての切羽詰まった状況、
このふたつによって辛うじて保たれているだけであって、
決してこのまま終わりはしないだろうし、
もう一荒れふた荒れする中で、このうえなお傷つく人も出てきかねない、
ということが予測できるようになってきたわけです。
コミュでのトピ立ては、たしかに座に混乱を起こしているのかも知れない。
（同じ人が「そうだ」といったり「違う」といったりするんでよく分からないんですが、
彼の混乱がそのまま、座の混乱を体現しているようにも思えます）
それは座員さんたちには気の毒な状況なことは確かです。
が。ですが。
あそこで、内部の者も観客もごたまぜながら総じて「座に近い」60余名が
あのトピを読んでいるということは、
全体としては必ず、ヤスダ―黒谷さんの思いと行動とに
有利に働くと思うわけです。そうですよね？
そしてあのトピが（問題をはらみながらも）生き延びているという現状がなかったら、
いったい、彼女らの思いと行動とは、どこかで「人の知るところとなる」
可能性があったろうか？と僕は考える。
彼女たちがこの事態で泣き寝入りを強要される。
あげくには一方的に責任を取らされる。
事態がそっちに流れることは、そら恐ろしい。断じて避けねばなりますまい。
今のところ、私の日記とあのトピが、彼女たちが「葬られる」のを防ぐための、
ほとんど唯一の公開された情報源です。
憎しみなんか買うだろうし買って構わない。
そして彼女たち自身からして、実はあのトピやこの日記を必要としなかったとしても、
そん時はそれで、まあ構わない。
それどころか僕の行動が彼女たちにとってはかえって不快で
むしろ迷惑な動きである可能性だって充分に考えられるわけですから、
僕は彼女たちとの決別の可能性もとうぜん想定しながら動いています。
そんなことよりも、ともかくも、
なおいまだ彼女ら自身が再行動にいたれずにいる現状において、
翠羅臼にうまうまと出し抜かれることを避けるためだけにでも、
僕の文章と連絡網とは現状有効だろう、と考えているわけです。
でも、なんで僕は、こんなことをしてるんだろう？
理由は明快。
僕が彼女らを必要としてるからです。
好きだし尊敬してるからです。
一緒に舞台作りたいからです。
よーするに惚れてるからです。
こんなにキリッと精神の立った女らに、誰が惚れずにいられようか(^^
その存在の小ささにおいて、きわめて巨大である。
彼女らがそれぞれのフィールドでもたらすだろう美の未来について、
だれが疑いを持つだろう。なんつー才能なんだ、ほんまにモウ。
（んで、それを翠羅臼のもたらすような矮小な「美」と、比較してみよ！爆）
あと、もうひとこと。
歴史は戦勝史のみであってはならないでしょう。
しょせんかいつまんでしか語れないのが歴史であるとしたら、
巨大な相手に挑んだ小さなスピリットをこそ語りたい、と
歴史劇の作家としては常々思っています。
愛とかも、そこにしかなかろうよ？
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