2つの評価軸問題「バカ息子の評価」「ヤクザの寄付」など

山下達郎“唯一の発信基地”で7分間の独白　松尾潔氏、ジャニーズ問題、忖度の声に持論【コメントほぼ全文掲載】
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=7481832

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世の中には有力な2つの評価軸がある。「良いか悪いか」と「好きか嫌いか」である。この2つが混ざっている好事例は「バカ息子の評価」であろうか。

バカという意味では「悪い」んだが息子ということで「好き」な場合。彼を会社の後継者にするかどうか？とか。
対抗馬に大嫌いだが腕のいい外部から招へいした副社長あたりでどうだろうか？

早々に主軸からズレていくが「やくざが悪事で稼いだ金で近隣の子供相手にクリスマスプレゼントを配る」というのも類例だろうか。子煩悩で家族思いだけど敵対者には残虐なヤクザ者もいますし、妻子にDVしまくりだけど凄腕のラーメン職人だって存在するわけです。

「それはそれ、これはこれ」と分けて評価するのが私の考えですかね。

今回の山下氏の「ジャニーさんが性加害をしたとしたら悪いこと」だが「受けてきた恩義や築いてきた友誼は別」というのもそうだろうし、「高校球児の喫煙による連帯責任で甲子園出場辞退」だとか「出演者の不祥事で放映が見送られる映画」などもそうだろうか。

で、山下氏の発言にはいくつかの矛盾や疑問点がある。一方で山下氏の意見としてのスジは通っている。この私の文面自体も矛盾を含んでいるわけだが、まあ「存在くらいは許されるだろうから私なりに気になった点を記してみる。


●まず最大の矛盾から

Aと言ってた山下氏がBの発言をすることには一見多大な矛盾があります。

A「いち個人、いちミュージシャンとしてジャニーさんへのご恩を忘れないことや、それから、ジャニーさんのプロデューサーとしての才能を認めることと、社会的、倫理的な意味での性加害を容認することとは全くの別問題だと考えております。 作品に罪はありませんし、タレントさんたちも同様です。」

B「彼らの才能を引き出し、良い楽曲を共に作ることこそが私の本分だと思ってやってまいりました。ま、このような私の姿勢をですね、忖度あるいは長いものに巻かれているとそのように解釈されるのであれば、それでも構いません。きっとそういう方々には私の音楽は不要でしょう。」

Aで「作者と作品とは切り離すべき」と言いながらBでは「作者が合わないなら作品を嫌ってもらってもかまわない＝作品と作者を切り離していない」というのが矛盾ですね。

とはいえ、一方でこれは考えAを押し付けないという山下氏なりの「やさしさ」なのかなとも思えるのです。あくまでもAは山下氏の意見であり、山下氏自身に適用したもの。一方でBについては「そういう方々」が主体であって「山下氏の作品にどう向き合うか」について言及したものですから。

なお私自身はAの考えには賛同します。Bの考えについては別に否定はせず容認はしますが、私は用いないかな。じゃあ私が山下氏の今回の発言に賛同するかというと「どちらかといえばNO」なんですけどね。その説明は後半の文章にて。

●（オマケ）その他細かい気づいた点

＞憶測に基づく一方的な批判
⇒すでに性加害の事実については裁判などで認めらてていると思うんだが。松尾氏のその先の踏み込んだ発言のことか？

＞ほかにもいろいろあるんですけど、きょうこの場で触れることは差し控えたいと思います。
⇒ここで具体的にそれに触れなければ説明としては中途半端な匂わせ系となってしまうが。

＞今話題となっております性加害問題については、今回の一連の報道がはじまるまでは漠然としたうわさでしかなくて、私自身は1999年の裁判のことすら聞かされておりませんでした。
⇒重要で友好的な取引先の裁判沙汰を知らないというのは興味も関心もなかったのか？あるいは耳をふさいでいたのか？

＞人間同士の密な関係が構築できなければ、良い作品など生まれません。そうした数々の才能あるタレントさんを輩出したジャニーさんの功績に対する尊敬の念は今も変わっていません。私の人生にとって1番大切なことは、ご縁とご恩です。
⇒個人的にはご縁と御恩がある恩人にこそ、しでかした過ちには諫言をしてもよいとは思うが。それこそ「それはそれ、これはこれ」として恩義は恩義として感じつつ、過ちには諫言で接するべきだと私個人は思うんですよね。とはいえ山下氏が選んだこの思考自体には論理的矛盾はないし、責められるほどのことではないでしょう。まさに「個々の人々がどう判断するかは個々の人々に依拠している」のですから。