本年度なんだこりゃ大賞1位！「NOPE ノープ」

かなり賛否分かれる作品だと思いますし、多くの評論家には絶賛されるであろうと予想しています。
また、公開直後なので内容について詳しく触れるべきでないだろうと思います。
でも、これだけは表明しておきたい。
全然面白く無かったです。

いや、面白い部分はありました。
なるほど、こういう事をやりたかったのか」というのは理解できましたし、その試み自体はまったく悪く無いと思います。
問題は、良い部分を圧倒的に凌駕する退屈な時間の長さ。
この内容で130分？
正気かよ！

ジョーダン・ピール監督の最新作として楽しみにされている人が多いと思います。
「ゲットアウト」「アス」の2作品とは全然違います。
前作「アス」も賛否分かれる作品だったと思いますが、個人的には好意的に受け止めました。
荒唐無稽で、頭で思い描いた時はスゴイと思っても映像化するとあまりにも無理のある設定を、力技で映画化した作品だったと思います。

そういう意味では今回も同じとも言えるのですが・・・。
色々と詰め込まれていた「アス」に比べると、今回は随分シンプルな物語です。
そして、映画館でこそ意味のある派手な見せ場は、これまでに無かったものです。
後で知りましたが、IMAXカメラで撮影されていたとの事で、確かにクライマックスの場面は大きいスクリーンでこそ意味があると思います。

空を見上げ、何も無いそこに大きな空想の羽を広げる。
そんな子供らしい発想から生まれた様な設定は、素晴らしいと思います。
「あの雲、ずっと動かないよね？」
ここは良かったですね。

本当なら、子供を主人公にして、短編として描くべき題材だと思います。
この映画にはまったく違うタイプの恐怖シーンもあって、かなり無理やり本筋に絡めてあるのですが、こちらも別作品の短編としてやるべき内容です。
130分の長編ではなく、10〜30分程度の短編2作だったら、非常に面白かったと思います。

とにかく、奇抜な映画なのは間違いありません。
これは凄いものを観た！と思うか。
やらかしたな！オイ！と思うか。
それはあなた次第です。
素直に楽しめなくて、本当に残念な気持ちです。
いわゆる「ハマらなかった」というやつですね・・・。

色々な考察、「あれは過去のあの映画を」とか、「映画愛についての」とか、そういうのは本当にどうでも良いです。
とにかく大ネタ1発の映画ですから、そこにハマるかどうかは、実際観るまで分からないのです。
この夏最後の大博打、是非挑戦してみてください！