この巨大な垂れ幕は日本の空の玄関である羽田空港のコンコースに2枚設置されている。
エスカレーターを使うと上から見下ろされているようで何やら田中体制の象徴のようで嫌な気分にさせられた。
そもそもこの体制に至る前から実際に口利きによる入学や採用があったことを原体験としてここで述べておきたい。
若いころ大学受験に失敗し、傷心の中にあった折、心配した叔父から一本の電話があった。
妹のできの悪い息子を心配しての気遣いだったようだが、内容は日大だったら一人くらい潜り込ませることができるがどうだ?とのことだった。
正直全敗の身としては藁をも掴みたい気持であったが、心は揺れに揺れた。
眠れぬ夜を過ごしながら結局若い心の中の片隅にあった「正義」の部分がこの悪魔のささやきをどうしても受け入れられなかった。
その後志望の大学に正門から入ることが決まった時、それまで沈黙を守っていた父親が「あの時、お前が受け入れを望んだらぶん殴ってやろうと思った」と嬉しそうに言った。
偉そうなことは言えないが人間が持つ「誇り」というものは一度失うことでその後の生き方に重い十字架を背負うことになる。その想像力が働かない者はその泥沼に気付くこともないし、よきにつけ悪しきにつけその呪縛からは一生逃れられないと思っている。
日大に限らず政治の世界や反社会勢力の組織において顕著な一連の不祥事も根底にこのような仕組みが根底にあると思う。
「縁故」という極めて卑小なつながりの連鎖は結局組織の本質を蝕むようになることをこの校名に「日本」を冠した大学が示してくれたのは何とも皮肉なものだ。
取り敢えずこのタイミングではこの垂れ幕は即刻降ろした方がいい。
アメフト部の一件から始まったこれまでの不祥事はさらに連鎖が続くだろう。恥の上塗りを繰り返すたびに健全化への道は遠のくばかりだ。
■日大に「縁故採用」規定=職員応募、学長・監督の推薦必須―田中体制で強化
(時事通信社 - 12月26日 07:31)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=6792238
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