2019年も残すところあと２日。
今年の私のクラシック音楽を振り返ってみたいと思います。
特記すべきことを挙げるなら、
��CDを買う量が激減
�▲轡紂璽戰襯箸慮魘繕並�8（9）番D944「グレイト」がマイブーム
�Ｃ聾気茲蠅眦豕�で音楽会を聴くことが多くなった
�げ山擴颪亮膽瓦魯團▲痢Ε螢汽ぅ織襪伴柴盂擇世辰�
�ゼ磴そ�性音楽家の活躍を目の当たりにする機会が多かった
という感じです。
��CDを買う量が激減…というのは、もうCDは収蔵スペースが飽和状態、かつまだ聴いていないCDも多数あり自粛したということもありますが、それ以上に欲しい新譜や再発のCDがなかったことがその理由です。ただ東京出張中のすきま時間に、新宿のディスク・ユニオンで廃盤になったCDを漁るのは楽しいです。今年の最も大きな収穫は、廃盤になって久しいリンゼイ四重奏団＋αのシューベルトの弦楽五重奏曲D956を発掘できたことです。
�∈Ｇ�、最もよく聴いたCDはシューベルトの交響曲第8（9）番D944「グレイト」でした。この曲は名盤が多いですね。数えたら15枚ぐらいありました。個人的に好きなのは、ブロムシュテット＆ＳＫＤの構築的というより生命感がある演奏です。時間がある時に、マイ・ベスト・「グレイト」をまとめたいと思います。
�Ｃ聾気茲蠅眦豕�で音楽会を聴くことが多くなったのは、東京へ出張する機会が増えたこともありますが、地元の日立や水戸の音楽ホールの企画に魅力がなかったことが大きいでしょう。ただ隣の常陸太田市で聴いたクラシック音楽出身の山中千尋が率いるピアノトリオのジャズ・ライブはとても楽しかった。クラシック音楽の有名なメロディがJAZZに変化していくさまがとてもスリリングでした。
�ずＧ�の音楽会もピアノと室内楽が多かったですね。全体の約2/3。
手帳で確認してみると、聴いた音楽会の総計27回。
内訳は
室内楽11回、
ピアノ10回、
声楽（オペラ・ガラも含む）3回
オーケストラ２回、
ジャズ１回。
今年、印象に残った演奏会を３つ挙げると
a)6/7、アポロン・ミューザゲート弦楽四重奏団＠紀尾井ホール
b)10/19、ドーリック弦楽四重奏団＠紀尾井ホール
c)11/10、ブロムシュテット＆N響のいわき公演＠アリオス
a)とb)に通じるのは、クラシック音楽でもっとも不人気な弦楽四重奏というジャンルにおいて、最近、若手演奏家で結成した新しい楽団が積極的な活動がみられるようになってきたことです。特にアポロン・ミューザゲートSQとドーリックSQのピチピチした演奏はよかったです。かつても名門といわれたジュリアードSQ、ラサールSQ、アルバン・ベルクSQのような正確無比で精緻かつ構築的な演奏に対して、最近の若手たちは４人の異なるカラーを重ね合わせて、「透明」を作り出している印象を持ちました。理科で習った色の三原色を重ねると透明になるのと似てます。また今年の流行語になったラグビー日本代表を表す「ワン・チーム」の概念にも通じるのは、多国籍あるいは多様な個性が相乗しあって鮮度と瞬発力が高い音楽をつくりあげていることです。その瞬間に立ち会っていることに音楽を聴く醍醐味を感じます。
ちなみにその時の演目は以下の通り。
アポロン・ミューザゲート弦楽四重奏団
・シューベルト：弦楽四重奏曲第1番ト短調（変ロ長調）D18
・ペンデレツキ：弦楽四重奏曲第3番「書かれなかった日記のページ」
・シューベルト：弦楽四重奏曲第15番ト長調 Op.post.161, D887
・（アンコール）フレセド：タンゴVIDA MIA
ドーリックS弦楽四重奏団
・ハイドン：弦楽四重奏曲第38番変ホ長調 op.33-2 Hob.��-38《冗談》
・ブリテン：弦楽四重奏曲第3番変ロ長調 op.94
・ベートーヴェン：弦楽四重奏曲第13番変ロ長調 op.130《大フーガ付き》
c)N響のいわき公演は、東京で行われたBプロ定期の引っ越し公演でした。
指揮はヘルベルト・ブロムシュテット。
プログラムの構成がユニークでした。
・ベートーヴェン：交響曲 第3番 変ホ長調 作品55「英雄」
・R. シュトラウス：交響詩「死と変容」作品24
・ワーグナー：歌劇「タンホイザー」序曲
従来の常識なら小から大になるところを、大から小になっています。ブロムシュテットは何か意図があって、このような構成にしたにちがいありません。「英雄」はテンポが早め。第一楽章冒頭の提示部のリピートありで47〜8分でした。しかし音楽的な内容は瑞々しく、構成感というよりも流動性のようなものを感じました。第2楽章の葬送行進曲もそれほど深刻な印象を受けませんでした。英雄の死を悼むというよりも、人間は誰でも死ぬ…という達観した気持ちが感じられました。この演奏は、ある意味で交響詩的？私はブロムシュテットは英雄交響曲を交響詩「ある音楽家（英雄）の生涯」のイメージで振ったのではないか…と仮定してみました。そう考えると、後半の「死と変容」「タンホイザー」の音楽的コンセプトとリンクして捉えることができると感じたからです。前者は「芸術家の死の瞬間」を描いた音楽であり、後者の「絶望からの救済、そして浄化」というコンセプトから成る歌劇の序曲です。そう考えること、この92歳の老指揮者は、自分の死の気配を感じながらも、いまなお音楽に捧げた人生によって救われてきた実感と喜びをこのプログラムに込めたのか…と考えました。
�ゼ磴そ�性音楽家の活躍を目の当たりにする機会が多かった…というのは、1月の辻彩奈のバッハ・無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータの全曲演奏会、3月の三宅理恵ソプラノ・リサイタル、8月のロシアピアニズムを幼少のことから学んだ松田華音のピアノリサイタル、11月の河村尚子のベートーヴェンの最後の３つのピアノソナタのリサイタル、12月の外村理沙のバイオリンリサイタルなど、なかなか聴きごたえがある演奏会に立ち会ったからです。
今年は仕事がやや忙しめで、演奏会の感想をキチンと書き残せなかったのが自分にとっての反省点です。2020年はベートーヴェンの生誕250年にあたるので、なにかと彼の音楽を聴く機会が増えるでしょうね。来年もクラシック音楽を楽しみたいと思います。
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