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2019年12月17日21:06

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「一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書」『地球の長い午後』「リラと戦禍の風」「ヴァイス 麻布警察署刑事課潜入捜査」「バイオハザード: ヴェンデッタ」

「一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書」
山崎圭一著。今読んでるが、面白くてわかりやすい。世界史の大枠が頭に入る。地理的に欧州、中東、インド、中国に分かれて進み、大航海時代から混ざってゆく。娘が進級したら世界史を選択する予定なので、読ませてあげよう。

『地球の長い午後』
ブライアン・W・オールディス著。巨木に覆われ、凶暴化した植物が支配する遥か未来の地球。コミュニティの大人達が月に渡り、残された子供達から追い出された主人公と恋人はアミガサダケに寄生される。アミガサダケは知能を持ち、繁殖の野望を秘めて彼に指示し、異形の世界を旅をする。いわば異世界探訪。蜘蛛のように空に糸を張り巡らす植物、音で動物を口に誘い込む植物、人を蔓で繋ぎ使役する植物。様々な植物の生態が面白い。主人公とアミガサダケの関係も恋人たちや他の人々との関係も、依存や暴力や支配と、快い感じではない。主人公が自立するまでの成長物でもある。

「リラと戦禍の風」
上田早夕里著。主人公は魔物の伯爵により精神だけの虚体と実体に分けられ、少女リラの護衛をすることに。虚体は人に憑いて銃後の人々と関わり、実体は戦場に。虚体は三人称で僕、実体は一人称で俺で見分け。人間ドラマより第一次世界大戦中の欧州の戦況説明に比重があるかな。

貴志祐介さん曰く、調べたことは沢山小説に書きたくなるが、最小限にしないとエンタメから離れてしまう。読者は小説には勉強ではなく娯楽を望むわけだから、どこまで抑えるかが小説家の悩ましいところと。歴史部分にページを割く歴史小説家でもエンタメなら人間がぶつかり合うドラマ部分にこそ比重を置く。人間ドラマにこそ萌えがある。教科書か小説か、作者がどちらを選ぶか。司馬遼太郎クラスなら人間ドラマも描きなおかつ歴史の説明も熱を持って面白く書ける。余談だがという前置きで書かれる小話が面白かった。膨大な知識がその時代を知り尽くしているからこそ息するように面白く語れたのだと思う。

「ヴァイス 麻布警察署刑事課潜入捜査」
上層部も黙認する汚職刑事仙石の率いる刑事課二係に女刑事は潜入捜査に入る。潜入捜査ってそっちだったか。麻薬の流通を巡って暴力事件が起こり、女刑事は彼の手段を選ばないやり方に翻弄される。頭がよく残酷な仙石刑事と彼のチームは魅力的。

「バイオハザード: ヴェンデッタ」
映画の脚本をされた深見真さんによる小説版。バイオテロ組織のクリスと元同僚の女性教授レベッカは自暴自棄になっていたDSOエージェントレオンと協力し、ゾンビ病の対策のため武器商人グレン・アリアスを捜索する。グレン・アリアスの動機が敵に陰影をつけてる

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