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2019年11月04日13:27

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音楽か言葉か…。(歌劇「カプリッチョ」)

ここ数ヶ月、毎日曜は福島へ出張していることが続き、帰宅も遅くなることが多かったでしょうか。日曜日の21時から放送されるEテレ『クラシック音楽館』を、昨晩11/3久々に見ることができました。内容は9月のN響定期演奏会で指揮はパーヴォ・ヤルヴィ。演目は、リヒャルト・シュトラウスの歌劇「カプリッチョ」の“月の光の音楽〜最後の場”と、マーラーの交響曲第5番でした。

私、ヤルヴィ&N響のマーラーの交響曲は、これまで2番・6番・8番を上京して聴きに行きました。ヤルヴィが振るマーラーは筋肉質で推進力があり、わりと好みです。ただTVで聴いた5番は、これまでとはちょっとちがう感じでした。これまであまり感じられなかったテンポの微妙な変化、舞踊的な表情の付け方。また独奏の部分はソリストの裁量の任せて自由に吹かせていました。特にホルン。「見せる」という部分も意識していましたね。それでも第5楽章は圧倒的なクライマックスでした。

しかしながら、私は最初に演奏されたリヒャルト・シュトラウスの歌劇「カプリッチョ」の“月の光の音楽〜最後の場”の方が印象に残りました。音楽的ニュアンスは、その7年後に作曲された「4つの最後の歌」に似た諦観のようなものも感じられます。ルーマニア出身のソプラノ歌手ヴァレンティーナ・ファルカシュの歌声がとても良かった。天駆けるような伸びやかな声で往年のルチア・ポップを思い出しました。いつか彼女のリサイタルを聴いてみたいものです。

歌劇「カプリッチョ」はリヒャルト・シュトラウスの最後のオペラ作品。恥ずかしながら、私は「カプリッチョ」を全曲通して聴いたことがなく、単独で演奏されることがある前奏曲(弦楽六重奏)と、フィナーレしか聴いたことがありませんでした。

ファルカシュが歌う伯爵令嬢マドレーヌのアリア「お兄様はどちらへ?」は、二人の求愛者(詩人と音楽家)の間で揺れ動く心と、結局は結論が出ないという気持ちを歌っています。詩人と音楽家は、伯爵令嬢の恋敵というだけでなく、「音楽か言葉か」という大オペラ論争にまで発展するらしい。これは全曲、聴いてみたいものですね。ポチ買い寸前(爆)ドイツ歌曲好きの私に言わせれば、「はじめに言葉ありき」とは言いますが、歌曲は詩と音楽が止揚したかたちなので、どちらも必要不可欠のものと言えますね。

とりあえず私が持っているリーザ・デラ・カーザとルチア・ポップが歌う「カプリッチョ」のフィナーレのアリアを午前中に聴いていました。美貌の歌手リーザの歌声は気品がありますね。さすが「薔薇の騎士」のマルシャリン(元帥夫人)。ポップはやはり清楚で初々しいゾフィーのイメージで聴いてしまう私…w。

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