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2019年04月27日11:27

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本当に謝罪すべき人間は誰だ!「麻雀放浪記2020」



ピエール被告(最後までこの表記を使用しますので悪しからず)がコカイン使用で逮捕された件は、現在に至るまで世間を騒がせています。
事件そのものを超え、薬物使用についての報道の在り方や、作品自粛についての是非、相棒である石野卓球の謝罪の必要等、これまで「そういうもの」として見過ごされてきた様々な問題について、もう一度見直す風潮にまでなりました。
これはタイミング的なものも当然あったでしょうが、ピエール被告の人徳による部分も少なく無かったと思います。

電気グルーヴを知ったのは高校時代で、大槻ケンヂのオールナイトニッポンの代役を務めた時だと記憶しています。
その後彼ら自身がオールナイトニッポンのパーソナリティーを務めてからは、リアルタイムのテクノ、ウルトラ不謹慎なギャグ、ノーリスペクトの精神等、多くの影響を受けたものです。

当時から、「誰も信じるな」というメッセージは常に発信しており、自身がまずその証として嘘ばかりついていましたが、今回の騒動でその事について痛感させられました。
今回のテレビ・ネット等における報道で、普段見聞きしている情報と言うものがいかにイイ加減で意図的に操作されたものであるかがよく分かったのです。
これまで報道の餌食となった芸能人やアーティストのファンもこのような気分を味わっていたのかと思うと、面白半分に話のネタにしていた事が申し訳なく思いました。

「麻雀放浪記2020」はそんな中、あえて自粛を行わず、ピエール被告出演部分をノーカットで公開された事で大きく報道されました。
監督の白石和彌さんは、これまでのほとんどの映画でピエール被告を出演させており、役者として非常に気に入っていたのだと思います。
そもそもこんな映画の存在自体を知らなかったものの、ピエール被告を応援したいファンや、自粛ありきの風潮に異を唱える人々が、報道を見て「応援しようじゃないか」という気持ちで劇場に足を運んだ人が多かったと思います。

僕もそんな気持ちで、友人と劇場に向かいました。
ヤフー映画レビューでは酷評の嵐でしたが、これはきっと自粛しなかった事を快く思わない人々によるものなのでしょう。
「ピエール頑張れ、白石監督頑張れ!」
安倍首相を応援する幼稚園児の様な気持ちは、突如一転します。
先に映画を観終わった人々が、異様に凶暴なムードを醸しているのです。
近くにいる野良犬に噛みついたり、子供から3DSを奪ってボキッと「高嶋ちさ子折り」したりとやりたい放題。
耳をすませば、彼らは口々に「謝罪せよ、謝罪せよ」を繰り返しているのです。

ピエール被告に対して?
ツイッターで奔放な発言を繰り返したあげく、結果的に焼け太りした相方の石野卓球氏に対して?
違いました。
彼らの謝罪要求対象は他でもない、白石和彌監督だったのです!

その後この映画を自分でも観て、納得しました。
本当にくだらねえ映画!
ヤフー映画レビューの評価は、純粋な魂の叫びだったのです。
どうしてこんな頓珍漢で意味不明な話が実写映画化となったのか。

主演の斉藤工さんについては知っていましたが、竹中直人やベッキー被告、岡崎体育の出演はまったく知りませんでした。
何の事は無い、彼ら(特に竹中直人)が延々とふざけているだけの映画で、ピエール被告はCMや報道で流れたシーンがそのほとんどというのが実際です。

ベッキーも確か一時期は報道で袋叩きにされていました。
よく覚えていませんが、確かゲスの極みボーカルとゲス不倫したんでしたっけ。
あれだけ悪く言われていたのですから、ゲスの極み妻を山に埋めるくらいはしたのでしょう。
ちなみにベッキーはロボット役なのですが、扱いは完全にダッチワイフで、なるほどそっくりです。

まあ、個人的には最後まで飽きずに、十分楽しめました。
非常に悪意があって汚らしくて猥雑な未来描写は「ブレードランナー2049」より納得できるものでしたし、まるで今回の報道を予見したようなシーンには戦慄しました。
現実が映画のシーンの意味を変えてしまうという点では、「アメリカンスナイパー」を思い起こします。
役者の演技も良くて、特にヒロインのドテ子を演じたモモさんは、彼女以外には考えられない素晴らしいキャスティングだったと思います。
竹中直人は、どうようもない吹替えよりもずっとイキイキした演技(いつも通りの)。
映画のあちこちに転がっている小ネタもブラックで笑えるものが多数あって感心します。
どうにかみんなで協力して、映画の底上げをしようとした努力の跡が、痛ましいほどにうかがえるのです。

僕も、謝罪すべきは白石監督だろう、彼が頭を坊主にし、巡礼のプロである管直人・清原和博と共に四国へお遍路の旅に出発すべきではないかと、このブログを書き始めた時は思っていました。
ところが、この映画の脚本を書いた佐藤佐吉さんがラジオに出演した際の放送を聴いて、考えが変わりました。
佐藤佐吉さんも白石監督(案の定、今は来た仕事は受けるというスタンスらしい)も、この企画には当初難色を示しつつ、困難の末どうにか実現した企画なのだそう。

謝罪すべき人間など、どこにもいなかったのです。
みんなが少しの間違い(馬鹿な企画をしない、無理な仕事は受けない、ピエール被告の応援と映画の内容は別)をしていただけなのです。
強いて言えば、犯人捜しをしようとした僕こそが謝罪すべきでした。

そうだ、四国に行こう(管君と、かいわれ大根を食べながら)。

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