沖縄県立博物館・美術館「おきみゅー」にて。
「ゲゲゲの鬼太郎」や「悪魔くん」「河童の三平」で子ども時代から馴染みの水木しげるの生涯を自ら描いた絵でつづる展示会。
期待以上に素晴らしかった。沖縄の妖怪も良かった。
しかし一番感動したのは自らの戦争体験(ラバウルでマラリアにかかり、爆撃で片腕を失った)に基づく戦争観だ。
「朝、寝ぼけて郵便物をとりに出たら召集令状だった。それで万事おしまいだった」
「…戦死した人間は もっとすごく生きたかったんです! 死にたくなかったんです!」
建前で「お国のため」「死んで醜の御楯」などと言っていても、庶民の内実は「兵隊に行きたくない、生きて帰りたい」というのが本心だっただろう。
しかし、単純に戦争反対ではなく、戦記ものも多く描かれており、軍艦などの描写は正確である。氏曰く、最も愛着が深いのは「総員玉砕せよ!」とのこと。
また、いろんな名言を残されているが、
「世の中のエライ人は、みんな人の力を利用して幸福になってんのヨ」
「地上の人間のアタマにもバイキンが繁殖しているのだ。 特に政治家のアタマにだ」
「利用するときだけ先生とよぶのは日本人のわるいくせです」
けだし名言である。
思わず普段は買わない目録、文庫本の「敗走記」「ヒットラー」をミュージアムショップで買ってしまった。
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