ウェス・アンダーソン監督によるストップモーション・アニメーション映画。
メガ崎市では、ペットである犬に伝染病が蔓延し、市長は犬をゴミ島へ隔離した。だが、一人の少年が、隔離されたボディガード犬を探しにゴミ島へ向かった。
最初、映画館でチラシを見たときは、「これは何だ?」感が先行したが、その後、予告編で映像を観て興味を覚えた作品。
鑑賞したのは吹き替え版だが、随所にバイリンガル的表現があり、もともとの形を想像しにくい作品だった。
さて、日本が舞台で、それなりに紋切り型の描写もあるが、寓話的雰囲気のもとで物語が進行するため、「日本」的描写も実態よりも象徴としての意味合いが深い。
物語の中心となる数匹の犬は、シニカルかつユーモラスであり、脚本と演出が冴えている。
決して娯楽作品ではないものの、映画のひとつの表現方法として見事に成功した作品だと思う。
ちなみに、他に客はおらず、貸し切り状態での鑑賞だった。
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