秋はただものをこそ思へ露かゝるをぎの上(うへ)ふく風につけても
源重之女
秋歌よみ侍りけるに
新古今和歌集 巻第三 秋歌上 354
「秋はもう物思いばかりしていることだ。私の袖にも露のかかる、このような荻の上葉を吹く風を見聞くにつけても。」『新日本古典文学大系 11』p.115
露かゝる 涙の露の袖にかかることを、上葉を吹く風が露を吹きかけることに寄せていう。「かゝる」はこのようなの意と掛ける。
秋の夕の感傷。
「荻」の歌。
源重之女(みなもとのしげゆきのむすめ 生没年未詳)平安時代中期の歌人。
新古今集初出(一首)。勅撰入集十八首。
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