さを鹿のいる野のすゝきはつを花いつしかいもが手枕(たまくら)にせん
人麿
題しらず
新古今和歌集 巻第三 秋歌上 346
「男鹿が入ってゆく入野の薄の初尾花ではないが、早くあの子の手を枕にして共寝したいものだ。」『新日本古典文学大系 11』p.113
原歌は万葉集十・作者未詳で、花に寄せた「秋の相聞」の歌。
さを鹿の 「入る」と続け、地名の「いる野」に掛ける。
いる野 八雲御抄五[やくもみしょう 順徳天皇 1197-1242 による歌論書]、和歌初学抄[平安時代後期の歌人藤原清輔 1104-1177 による歌学書]は万葉の地名としながらも特定しない。
はつを花 出たばかりのススキの花穂。初々しい花妻に譬える。
「薄」の歌。
柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ 生没年未詳)飛鳥時代の歌人。
古今集初出。新古今二十三首。
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では源経信と番えられている。
小倉百人一首 3 「あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む」
http://bit.ly/18UUCk9
http://bit.ly/18UURvz
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