あはれまたいかにしのばむ袖の露野はらの風に秋はきにけり
右衛門督通具
千五百番歌合に
新古今和歌集 巻第三 秋歌上 294
「ああ、この上どう堪えればよいのであろう。袖にこぼれる涙の露を。秋はただでさえ涙の露のこぼれがちなものを、あの野風とともに秋は来たことだ。」『新日本古典文学大系 11』p.99
建仁二年(1202)頃、千五百番歌合 秋一。
袖の露 秋のあわれさに堪えず袖に落ちる涙。
野はらの風 露を尋ねてこぼそうと野を渡る風。
「初風」に「露」の歌。
源通具(みなもとのみちとも 1171-1227)平安時代末期から鎌倉時代前期の公卿、歌人。源通親の次男。妻は俊成卿女、後に離別。和歌所寄人、新古今集撰者。
新古今集初出(十七首)。勅撰入集三十七首。
http://bit.ly/14dtJXV
http://bit.ly/14dtQ5M
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