一寸前から気になっていたのだが,最近また平置きになっていたので、つい…
『八咫烏シリーズ』阿部智里
早稲田大学在学中の2012年、『烏に単は似合わない』で史上最年少の松本清張賞受賞者となり作家デビューを果たした
平安王朝ものか?
平安時代っぽいファンタジーか?
ううむ…
なんだか少女漫画をそのまま文章に書き起こしたような…
20歳の女の娘が書いたにしては、随分難しい言葉が多い。
が、なんともアンバランスなイメージである。
たとえて言うなら、背景や小物まで綿密に描き込まれた劇画、ではなく、頁の殆どが華麗なる人物のみで背景描写はほぼなく、余白にやたらと花が散っているといった風情。
この八咫烏シリーズはファンタジーの皮を被ったミステリーなのだと言う。
なんてったって、「松本清張賞」だし。
ファンの言葉なのだろう。
「最後まで読んでこそ、この物語の味が分かり、二作目を読んでこそ、この物語は完成する。」
「粗が目立つ作品ではあるけど、終章がすごく気に入ったのでハズレではなかった」と言う評を目にした。
駄目だ…
全然前に進めない。
苦心惨憺、3日掛かって1冊の1/3程度まで来て青息吐息。
止まっちゃった。
1巻の半分までも行かず。
この辺りまでダラダラと姫達の恋のさや当て?なのか…
ここまでではまだ、ファンタジーでも推理小説でもない。
見開きに延々と続く花バックに埋もれた美少女達のアップ。
何が面白いのかさっぱり分からない。
3巻まで買っちゃったのだが、どうなることやら。
(既に6巻が既刊だそうな)
で…
一緒に手に入れたのに移る。
あらら…
とまんない。
睡眠不足を懸念して1日で一冊、気がつけば二日で読了。
作者の年の功?ってぇ訳じゃないだろうが、文章は言い悪いではなく、やはり好き嫌い。
自分に合った物は驚くほど高速に読み進める。
登場人物はみんな全て「キャラ立ち」していて魅力的だし、ストーリーは高速展開かつ涙あり大爆笑あり。
粋な計らい、侠気溢れ、陰謀渦巻く物語に、泣かせの浅もここにあり。
参勤交代の行列が巻き上げる砂塵が目に浮かび、雪の信州路に立ち尽くす誇り高き馬がそこにいる。
いやいやいや、やっぱり上手い。浅田次郎。アッパレー!
一路(上)(中公文庫) 浅田次郎(著)
文庫: 381ページ
出版社: 中央公論新社 (2015/4/23)
言語: 日本語
ISBN-10: 4122061008
ISBN-13: 978-4122061002
発売日: 2015/4/23
一路(下)(中公文庫) 浅田次郎(著)
文庫: 378ページ
出版社: 中央公論新社 (2015/4/23)
言語: 日本語
ISBN-10: 4122061016
ISBN-13: 978-4122061019
発売日: 2015/4/23
【追記】
今年初めて仕事場で蝉の声を聞いた。
(本当の初めては三日前の日曜日自宅前)
梅雨が明けた。夏だ!
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