mixiユーザー(id:17423779)

2017年06月30日05:27

1583 view

いその神布留野(ふるの)の桜たれ植ゑて春はわすれぬ形見(かたみ)なるらん 右衛門督通具

いその神布留野(ふるの)の桜たれ植ゑて春はわすれぬ形見(かたみ)なるらん
 右衛門督通具
 千五百番歌合に
 新古今和歌集 巻第一 春歌上 96

「この布留野の桜は誰が植えて、春には必ず古を思い起こす形見となっているのだろう。」『新日本古典文学大系 11』p.44

建仁二年(1202)頃、千五百番歌合 春三。
本歌「石上布留の山辺の桜花植ゑけむ時を知る人ぞなき」(遍照 後撰 春中)。
いその神布留 石上郷の布留は奈良の京の一部とされていたが、「布留」を「古る」に掛けて奈良の古京をさす。布留野も大和国の歌枕。
わすれぬ 旧都の回顧で参考歌の郭公と同様、桜がさけば咲く花の匂うような古京が思い出されるというのである。
参考「石上ふるき都の郭公声ばかりこそ昔なりけれ」(素性 古今 夏)。
「盛花」の歌。

源通具(みなもとのみちとも 1171-1227)平安時代末期から鎌倉時代前期の公卿、歌人。源通親の次男。妻は俊成卿女、後に離別。和歌所寄人、新古今集撰者。
新古今集初出(十七首)。勅撰入集三十七首。
http://bit.ly/14dtJXV
http://bit.ly/14dtQ5M

0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する