ネガティブキャンペーンなのか？

　一昨日、ご近所から現職市長の選挙資料、出陣式の告知とともに、１枚の記
事コピーが配られた。ＳＮＳでも囁かれたが、この記事を読んで驚愕した田村
市民は少なくなかったのではなかろうか。というのも、実在の記事とはいえ、
中身がすごすぎる。元議員やら地元事情通という匿名の告発まではいいとして
も、候補者への人間的中傷に終始した文面なのだ。少しだけ拾うと、「周辺に
はあまり良い話がない。それは本人の性格の為せる技なのだろうが、人間の本
質が風見鶏だからであろう」「人間性については多くの人が知るとおりボロク
ソな評価」「無節操な策士」「低俗な策士」といった具合。お世辞にも品のい
い表現とは言いがたい。むしろ記者の人間性を疑いたくなるような文章だ。
　普通、これほどの記事を書くなら本人に反論を語らせるべきだが、その形跡
すらない。言論の自由は保障されるべきだし、これに対抗する措置も候補者に
はあるだろう。記事に書かれているさまざまな疑惑について、私らは知る由も
ない。ただ、１つだけはっきりしているのは、市長の関係者がこの記事を配っ
たという事実だ。当然、市長が承知していないはずがない。つまり、ネガティ
ブキャンペーンである。アメリカの選挙ではたびたびテレビで見せつけられて
きたが、まさか今まで無風選挙だった田村市で、現職の首長がそこまでやると
は。本当に驚いた。
　私もマスコミの末端にいるので、いろんな情報は耳にしている。しかし、自
分で取材していないものを表に出すわけにはいかないし、選挙は公明正大にや
ってほしいと願っている。だが、現職の首長が市販の中傷記事を利用したとな
れば、看過はできない。仮に記事の内容が事実であったとしても、選挙の候補
者にはやっていいことと悪いことがあるはずだ。その判断は最終的に市民１人
１人がするしかないが、こんなアンフェアな記事を配るのは、私はやっていい
こととはとても思えないのである。今週には公開討論会なども開催されるが、
市民がどういう審判を下すのか、これから注視していきたい。