海「三等駆逐艦は神風型(初代)駆逐艦が最後になりました。600トン未満の小型駆逐
艦はその後造られることは無く、この排水量クラスの艦艇は掃海艇や水雷艇となって
行きました。神風型(初代)も、前型の春雨型と基本的には同設計で、日露戦争直前
の予算計画で計上され、建造されたものです。日露戦争には建造が間に合わず、終戦
後の就役となりましたが、一等駆逐艦や二等駆逐艦が登場する頃になると、役回りが
無くなってしまい、中には掃海艇へと転用されていった艦もありました」
三「神風型(初代)は、戦争直前の緊迫した状況で建造されたものでもあり、32隻もの
大量建造が為された艦級でもある。1番艦から順番に艦名を挙げると、神風(かみか
ぜ)、初霜(はつしも)、弥生(やよい)、如月(きさらぎ)、白露(しらつゆ)、
白雪(しらゆき)、松風(まつかぜ)、朝風(あさかぜ)、春風(はるかぜ)、時雨
(しぐれ)、朝露(あさつゆ)、疾風(はやて)、追風(おいて)、夕凪(ゆうなぎ)、
夕暮(ゆうぐれ)、夕立(ゆうだち)、三日月(みかづき)、野分(のわき)、潮(
うしお)、子日(ねのひ)、響(ひびき)、白妙(しろたえ)、初春(はつはる)、
若葉(わかば)、初雪(はつゆき)、卯月(うづき)、水無月(みなづき)、長月(
ながつき)、菊月(きくづき)、浦波(うらなみ)、磯波(いそなみ)、綾波(あや
なみ)となる」
金「すごい大所帯ですネー。1番艦の神風の起工が1904年7月だから日露戦争の最中
デス。一番最後の綾波の起工が1908年5月なので、足掛け4年間にわたって作ら
れたわけですネー。たくさん仲間が居て羨ましいデス」
海「神風型(初代)は排水量380トン、全長69m全幅6.6m。6000馬力エンジ
ン搭載で最大速度29ノット。76ミリ砲長砲身型(40口径)2門、76ミリ砲短
砲身型(28口径)4門、45センチ魚雷発射管2門という兵装です」
三「砲が76ミリ砲だけになったな。同クラス、つまり300トン級の駆逐艦との戦闘も
視野に入れたものと思われる。この頃になると魚雷攻撃も駆逐艦がメインになってい
たから。対水雷艇というより、対駆逐艦を意識したのじゃろう」
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