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2016年07月01日15:52

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上半期が終わる。日本映画・外国映画、共にベストテン候補が出揃ってきた。


6月29日(水)  新文芸座  新文芸座セレクション
            絶対に観てほしい邦画サスペンス ‘50〜’70年代

「人間狩り」(松尾昭典)
幼い頃に母親を強盗に殺されたトラウマを抱える長門裕之の刑事が、悪を憎み非情に犯人逮捕に執念を燃やす。そんな彼が、時効まで36時間に迫った殺人犯の手掛かりを掴む。タイムリミットのサスペンスに、都内を中心としたシャープなロケと、出演者の演技が圧巻だ。罪の意識に怯えながらも、今は善良な父親として生きている大阪志郎の犯人。全く反省の色なく、その後も悪事を重ねながら、証拠不十分の法の網をくぐる小沢栄太郎の憎たらしい共犯者。最後の最後で、人間性に目覚める長門だが、それはもう一つの巨悪を逃すことだった。「罪と罰」のテーマを重層的に描いた傑作である。(よかった。ベストテン級)

「殺人者を追え」(前田満洲夫)
現金輸送車強奪殺人犯人の愛人宅のアパートに、向かいの部屋で張込む若い刑事の小高雄二と、ベテランの織田雅雄。これは、野村芳太郎の傑作「張込み」のパターンである。犯人を取り逃したことに責任を感じる小高の必死さは、黒澤明「野良犬」の如し。さらに本作では、強奪犯の仲間が犯人の独り占めを危惧して、近くのアパートに押し入って、張込みを続ける。こちらはウィリアム・ワイラー「必死の逃亡者」といったところ。ということで犯罪サスペンスのエッセンスを巧みに撚り合せ、新味は薄いが一気に魅せてしまうあたりは、さすが撮影所システム全盛期の職人技だ。(まあまあ)


 ここまでで、今年のスクリーン初見観賞作品は147本。
 6月が終わった。今年の半分が終わった。ここまでで私のベステン候補は次のとおりである。

[日本映画]
「俳優 亀岡拓次」「家族はつらいよ」「リップヴァンウィンクルの花嫁」
「モヒカン故郷に帰る」「スキャナー 記憶のカケラをよむ男」
「海よりも まだ深く」「FAKE」「64−ロクヨン− 前編/後編」
                     以上鑑賞作品51本からの選出

[枠外]
「サーチン・フォー・マイ・フューチャー」

[枠外]とは一週間未満の公開でキネ旬ベストテン対象外の作品。

 年当初はどうなることかと思った日本映画の不作ぶりだったが、ここへ来て8本出揃い、まずまずのところ。絶対ではないが「FAKE」というベストワン候補も登場した。下半期に期待である。

 ピンク大賞作品賞候補は、「純情濡らし、愛情暮らし」「汗ばむ美乳妻 夫に背いた昼下がり」と、未だ2本。ただし、秋に2部作として完結する「性辱の朝 止まらない淫夢」が控えている。最終評価はそこまで待ちたいが、これが大本命の予感がしている。(鑑賞作品15本からの選出)


[外国映画]
「ブリッジ・オブ・スパイ」「最愛の子」「ザ・ウォーク」「オデッセイ」
「パディントン」「ヘイトフル・エイト」「人生は小説よりも奇なり」
「ルーム ROOM」「さざなみ」「ズートピア」
「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」「教授のおかしな妄想殺人」
                     以上鑑賞作品63本からの選出

 外国映画は早くも12本並ぶ大豊作。「ルーム ROOM」をベストワン本命として、現時点でもベストテン選出可能な事態である。

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