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2016年06月27日04:38

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老いにけるなぎさの松の深(ふか)みどり沈めるかげをよそにやは見る 順

老いにけるなぎさの松の深(ふか)みどり沈めるかげをよそにやは見る
 順
 渚の松といふことをよみ侍りける
 新古今和歌集 巻第十八 雑歌下 1709

「年老いた波打際の松の深緑よ。その水底に沈んでいる緑の影を私はとても人ごととは思えない。」『新日本古典文学大系 11』p.498

順集。詞書によれば天元二年(979)五月、大納言藤原為光が石山に参籠した後日、源為憲の詠んだ歌。順はこれに和して「深緑松にもあらぬ朝あけの衣さへなど沈みそめけむ」と詠む。
続詞花集 雑下[藤原清輔による私撰集。『詞花集』に継ぐ第七勅撰集となるところを、下命者である二条天皇(1143−1165)の崩御に遭い実現しなかった。]は源為憲作とし、「…六位にて望みならず侍りける頃よめる」とある。
深みどり 六位の者の着る緑の位袍の意を寓する。
沈めるかげ 六位のまま昇進することもなく沈淪する自分に擬する。
「水かげ」に寄せる雑歌。

源順(みなもとのしたごう 911-983)平安時代中期の学者・歌人・貴族。梨壺の和歌所寄人となり清原元輔・大中臣能宣・紀時文・坂上望城と共に万葉集の訓点作業と後撰集の撰集にあたる。
拾遺集初出。新古今二首。勅撰入集五十一首。
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では寂然法師と番えられている。
http://goo.gl/Ux0g18 https://goo.gl/PDztLv

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