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2015年11月29日15:43

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「画家の詩、詩人の絵」

展覧会の作品について、私の感想を いくつか。

展覧会の入り口に、青木繁の「眼」が展示されていて、印象的な眼だった。

まさか、「画家の詩、詩人の絵」で、青木繁が展示されているとは 思いも寄らなかった。

青木繁「温泉」は、まるで印象派の絵のように光に溢れ、美しかった。

それから、竹久夢二の展示があり、夢二の絵は、私は もともと好きなので、「宵待草」の詩と共に、独特の か弱い感じの女性の絵を観た。

それから、「月映」の藤森静雄、恩地孝四郎、田中恭吉の木版画を観た。

暗い感じの版画であった。

驚いたのは、中川一政の作品が展示してあって、文学を志していたということだった。

中川一政美術館に行ったことがあったが、そのことは知らなかった。

肖像画が 素晴らしかった。風景画は これまで観たことがあったが、人物を描いたものは、初めて観た。

古賀春江の絵も 展示されて、絵と詩が 響き合っていた。

村山槐多の絵も 何枚か展示されていたが、生まれが 横浜になっていたのは、残念だった。

以前、岡崎市美術博物館で「村山槐多展」をやった時に、学芸員の村松氏が 「長年、村山槐多の生まれは横浜だと言われていたが、実は、この岡崎市なんです。」と、言っていたのに、この展覧会では 「生まれは横浜」になっていた。

村山槐多の作品は、あの時に 随分観て、詩も書く人で、また絵も 描いていた人であった。

村山槐多の詩の朗読会に行ったこともあり、今回の 絵の隣の詩も 覚えのあるものだった。

「ネエサン、裸になってください。・・・・」という詩である。

この展覧会で、「尿する裸僧」が展示されていたのには、驚いたが、あの絵は インパクトがありすぎな感じがした。

「稲生像」は、あのラブレターを書いた人だったなあ。と、思った。

岡崎市美術博物館で村山槐多のラブレターの展示もあったのを思い出した。

熱烈なラブレターを男性に書いたのだった。

香月泰男について、馬場氏が 熱く語っていて、戦争で兵隊に行き、シベリア抑留されていたこと。シベリアで亡くなった人たちの慰霊の為に シベリアシリーズの絵があること。

シベリアの絵は、暗い絵であったが、今回の展覧会では、シベリアの絵の展示は無かった。

自分の身辺の草花の絵などで、日本の素晴らしい静かな絵であった。

戦争後の 穏やかな生活の中で 絵を描いていた。

馬場氏は、香月氏の家まで行ったこととか、年賀状をもらったことなどを話した。

年賀状の裏面の干支の絵を スライドで見せてくれて、さすがに画家なので、さっと描いた絵なんだろうと思った。

稲垣足穂については、星座や 飛行機の絵を描いて、童話的な感じがした。

草間彌生の作品もあり、この人は詩も書くことは知っていたので、やはりあったのか。と、思った。

鴻池朋子の「ある日 洪水がきて すべてを流してしまう」(2007年)は、すごい絵だった。

現代アートの人の作品があったり、正岡子規の作品があったりして、なかなかユニークな展覧会であった。

馬場氏の話を聞いた後で、この展覧会を じっくり観たら、なかなか味わい深い気がした。

講演会の後、1時間半かけて 展覧会を観た。



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