mixiユーザー(id:17423779)

2015年09月25日05:12

554 view

さしてゆくかたは湊のなみ高みうらみてかへる海人(あま)の釣舟 よみ人しらず

さしてゆくかたは湊のなみ高みうらみてかへる海人(あま)の釣舟
 よみ人しらず
 題しらず
 新古今和歌集 巻第十五 恋歌五 1435[巻軸歌]

「そことめざして掉さし進む方角は湊の波が高いので、浦を見るだけで寄らずに引き返す海人の釣舟よ。」『新日本古典文学大系 11』p.417

古今六帖三。
湊 能因歌枕[能因 988-1050 による歌学書]「川の海に流れ入るをいへり」。湊・舟は縁語。
なみ高み 障害即ち身分違いとか女の親が許さないなどの譬喩。
うらみ 「浦見」に「恨み」を掛ける。
漁舟を詠むとみせて、近寄れずに帰る男の恨みを寓する。
「波に寄する恋」。

昨年の7月29日に巻第十一 恋歌一 990[巻頭歌]を読んでから一年と二ヶ月。
ようやく恋歌の巻が終りました。明日からは雑。

0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する