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2014年12月19日12:25

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2014年、私が聴いた音楽会ベスト5

2014年も2週間をきりました。
本年、私が行ったクラシックの音楽会の回数を
手帳で見ながら数えてみたら35回でした。
これらの中で、私にとってのベスト5は
以下の通りです。

第1位:エリソ・ヴィルサラーゼ|ピアノ・リサイタル(2/3)@すみだ
第2位:歌劇「ペレアスとメリザンド」デュトワ&N響(12/7)@NHKホール
第3位:小菅優|ベートーヴェン・ピアノソナタ全曲演奏会#7(6/20)@紀尾井
第4位:ヤルヴィ&ドイツ・カンマーpo|ブラームス・チクルス2日目(12/11)@オペラシティ
第5位:インバル&都響の「ブル七」(7/31)@ミューザかわさき

以下、選考理由を記します。


★第1位:エリソ・ヴィルサラーゼのピアノ・リサイタル
■エリソ・ヴィルサラーゼ ピアノ・リサイタル
■2014年2月3日(月)19時@すみだトリフォニーホール

♪モーツァルト:ドゥゼードの「ジュリ」の「リゾンは眠った」による9つの変奏曲 ハ長調 K.264(315d)
♪ブラームス/ピアノ・ソナタ第1番 ハ長調 作品1
♪ハイドン/アンダンテと変奏曲 ヘ短調 Hob.XVII:6
♪シューマン/交響的練習曲 作品13(初版)
 【アンコール】
♪シューマン:『森の情景』より「予言の鳥」
♪シューマン:「献呈」(リスト編)
♪ショパン:『2つのワルツ』より変イ長調「告別」
♪ショパン:「華麗なる大円舞曲

私の音楽会の評価は、演奏内容だけでなく、
ホールのホスピタリティや聴衆の集中度などで総合的にします。
そういう点でもっとも私の考え方が反映されたピアノ・リサイタルでした。
ピアノ界では名教師として著名ですが、演奏を聴く機会は希少。
派手さはないけれど、音楽の「根」のようなものが感じられ、
彼女の慈悲深い音楽に感動しました。
特にシューマンの「交響的練習曲」がすばらしかった。

私はロシアン・ピアニズムの信奉者ですが、
ネイガウス、ユージナ、ギレリス、リヒテル、ルプー、ヴィルサラーゼらに共通するのは
太い根のようなものが大地の深いところまでしっかりとはっていて
その根から吸い上げられる知性や教養が
音楽に結実がしていることを実感できることです。

★第2位:歌劇「ペレアスとメリザンド」デュトワ&N響
■NHK交響楽団第1796回定期演奏会
■2014年12月7日(日)15時〜@NHKホール
■ドビュッシー作曲:歌劇「ペレアスとメリザンド」 (全5幕・演奏会形式・字幕つき)
ステファーヌ・デグー(バリトン、ペレアス)
ヴァンサン・ル・テクシエ(バス・バリトン、ゴロー)
フランツ・ヨーゼフ・ゼーリヒ(バス、アルケル)
カトゥーナ・ガゼリア(ソプラノ、イニョルド)
デーヴィッド・ウィルソン・ジョンソン(バリトン、医師)
カレン・ヴルチ(ソプラノ、メリザンド)
ナタリー・シュトゥッツマン(コントラルト、ジュヌヴィエーヴ)
浅井隆仁(バリトン、羊飼い)
東京音楽大学(合唱)
篠崎史紀(コンサートマスター)
シャルル・デュトワ指揮
NHK交響楽団

上演機会が少ないドビュッシーの歌劇「ペレアスとメリザンド」を
オペラというよりも、声楽を伴った管弦楽曲と考えていましたが、
演奏会形式という最高の音響状態で聴けた稀有の公演でした。
また、この作品の美しさと哀しさと静けさがよく表現されていました。
ドビュッシーの作品のライブに限るとあたらためて思いました。
CDでは感じられない空気感があります。
シャルル・デュトワとN響はすばらしいマリアージュです。
N響はどんな指揮者であっても、このような力演をしてほしいものです。

★第3位:小菅優|ベートーヴェン・ピアノソナタ全曲演奏会#7
■ 小菅 優|ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全曲演奏会シリーズ第7回
■2014年6月20日(金)19字@紀尾井ホール
♪ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第5番 ハ短調 op.10‐1
♪ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第11番 変ロ長調 op.22
♪ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第29番 変ロ長調 op.106「ハンマークラヴィア」

今年、私は小菅優のピアノ演奏を
独奏あるいはアンサンブルで5回聴く機会がありました。
若い音楽家が成長する姿に立ち会える喜びを感じさせてくれる方です。
ベートーヴェンと小菅優、それぞれが持つパッションが
高次元で結実していたような印象でした。
小菅優の演奏は、ベートーヴェンの難解さ、
たとえば最終楽章のフーガのような複雑にホツレた糸を
解きほぐしてくれるような雄弁さ、明快さがあります。

ベートーヴェンのソナタ全曲演奏会のクライマックスが
当回の難曲「ハンマークラヴィア・ソナタ」でしたが、
来年3月の最終回の30〜32番のリサイタルも楽しみです。
29番の頂点から、人生の下山に向かう30〜32番の演奏の方が
音楽的にずっと難しいと思います。
個人的な希望ですが、
ベートーヴェン・チクルスの後は
シューマン・チクルスをお願いしたいですw。


★第4位:ヤルヴィ&ドイツ・カンマーpo|ブラームス・チクルス2日目
■ブラームス・シンフォニック・クロノロジー・第2日
■2014年12月11日(木)19時@東京オペラシティコンサートホール
■出 演
 クリスティアン・テツラフ(Vn)
 パーヴォ・ヤルヴィ指揮
 ドイツ・カンマー・フィルハーモニー管弦楽団

♪ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲 op.56a 
♪ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77 
♪ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 op.73 
【アンコール曲】
♪ブラームス:ハンガリー舞曲 第3番 ヘ長調
♪ブラームス:ハンガリー舞曲 第5番 ト短調

ベルリン・フィルやウィーン・フィルのような
スーパー・オケが忘れてしまった昔のドイツの「訛り」のような音と
再開できたような音楽会でした。
ブラームスの「うた」が堪能できました。
ヤルヴィの音楽は、作品を分解し再構築しながらも、
正統性と推進力を感じさせる音楽づくりをしていました。

★第5位:インバル&都響の「ブル七」
■フェスタ・サマーミューザ KAWASAKI2014
■2014年7月30日(水)19時〜@ミューザ川崎シンフォニーホール
■エリアフ・インバル指揮&東京都交響楽団

♪ワーグナー:ジークフリート牧歌
♪ブルックナー:交響曲第7番<ノヴァーク版>

ブル七の第2楽章はワーグナーの「葬送音楽」として作られた経緯から
ワーグナーとブルックナーのつながりの濃さを感じされる演奏会になりそう〜
という私の予感が、イイ意味で裏切られた演奏でした。
それは、インバルと都響の家族のような「絆」の深さでした。
おたがいにとても信頼関係にあることが演奏からよく分かりました。
インバルがやりたいことをオーケストラがよく応えていました。
都響はチームワークが抜群にイイと思います。
インバルのブル七は、ミケランジェロのダヴィデ像のように
地面に垂直に屹立する贅肉のない新しいブルックナー像をつくっていました。



その他、印象の残ったのは以下の3公演。
3月、ウィーンとハリウッドで活躍した作曲家コルンゴルドの音楽会@石橋メモリアルホール
4月、イアン・ボストリッジのテノール・リサイタル@水戸芸術館
10月、チョ・ソンジンのピアノリサイタル@浜離宮朝日ホール

ガッカリした演奏会もありましたが、
それについての言及は止めます。
来年もイイ音楽を聴きたいと思います(^_^)v

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