mixiユーザー(id:1057202)

2012年10月09日22:31

28 view

かなり違和感がぬぐえない・・・・。

潜水艦で自殺か、溺死と確認
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=2181225


いつもはニュースに対して日記を書いたりしないが、かって潜水艦乗務員だった私にとってこれはさすがに書きたくもなる。



停泊中ならいざ知らず、水上航行中に非番の人間が現場に行く・・・事自体がかなり異常である。


私が乗務したのはもう遥か大昔に退役したL型潜水艦(初代はるしお)であるから、最新型の「そうりゅう」とは船体構造が違うのだろうが、基本的に出航したら「艦橋ハッチ」以外は閉鎖のはず。

潜水艦は内穀と外穀の2重構造で出来ていて、現場はその間の空間である。

「そうりゅう」には、現場に行く為の「発令所から艦橋ハッチを抜けてセール(艦橋)内に出る」以外の通路が存在するのだろうか?


業務上の理由がない限り原則として非番の人間がそこに出ることは禁止事項だったと思う(遠洋航海中に「休息」のために順番に艦橋の上に出る・・ことはあるが特別許可を要する)。


しかもその通路を「誰にも見られずに・知られずに」行けるものかな?・・・とも思う、日没時間以降なら発令所も照明を落としているので可能性はあるが出航したのは朝7時ということだし。


遺書らしきものがあったようだが、はたして巷間言われるような「いじめ」なるものがあったのか?


故人は「20歳で3等海曹」・・・というのは一つのポイントかもしれない・・・おそらく少術校か曹候補生のどちらかのコースの出身のはずである。


「3等海曹」というのは下士官でありすなわち「職業軍人」である。その下の「海士長」とは扱いが違うのだ。(「海士長」は3年任期の都度更新・「3等海曹」以上は定年制・・ありていに言って派遣と正社員みたいなものだ)

通常は高卒で入隊して約4年位たった「海士長」が「昇任試験」を受けて「3等海曹」となる。


試験であるから合格しない場合も多々あるわけで、30歳過ぎても「海士長」なんてことも珍しくないのだが、前述の「少術校か曹候補生」出身者は自動的に19もしくは20歳で「3等海曹」に昇任してしまうのだ。


「30歳超えた仕事はバリバリできる熟練の海士長」と「20歳の経験未熟な3等海曹」・・・・まあ仲が良いわけないですな・・・編成上後者が前者の上司・上官になってしまうのだから。


かく言う私は後者の「20歳の経験未熟な3等海曹」だったのだ・・・1979年高卒後「第4期一般海曹候補学生」として入隊・81年3月に3等海曹昇任(なんと丁度20歳の誕生日当日だった)・・・実習員時代を過ごしたのと同じ「初代はるしお」乗務員に任命された。


まあ遥か30年以上昔であるから、そのころの「いじめ」というのは現在のそれとは違うし、むしろ「いびり」というべき種類のものだったと思う・・・「曹候補学生」という制度自体がまだ4年目と言う段階だったわけで、


「なかなか昇任できない30歳超えた仕事はバリバリできる熟練の海士長」たちの風当たりは、当然激しかったのである・・・やっかみ・ねたみが「いびり」という形として我々に向けられるのもむべなるかな・・・「それに耐えかねて自殺」したらしい同僚の噂もあった(噂である、確認したわけではない)。


潜水艦というのは、「どんな嫌な奴とも絶対避けて暮らせない」世界である。

だから逆に「殴り合いのケンカ」はなかった・・・皆「自制していた」のである、そんなことしたら「収拾がつかない事態になる」ことを皆自覚していたのだ。

だから私も随分いびられたけど、「暴力を振るわれた」あるいは「鉄建制裁」なんてことは一度も無かった。


潜水艦乗務員は「○○一家」と呼べるような運命共同体なので、「ストレス回避の理由もあって」実は逆に上下関係なども「かなり緩い」のでもある・・・プライベートな話題では上官に「タメ口」で話してもそのことで怒られたりはしなかったしねえ。



だから今回の事件は個人的にはかなり違和感がぬぐえない・・・・。



「そうりゅう」にも一人や二人の「同期生」が乗務しているのだろうな・・・80年に広島・呉の「潜水艦教育訓練隊」で一緒の釜の飯を食った仲間だが、当然皆50歳超えたわけで残っているとしたら「古株の大ベテラン海曹長」クラスだろうねえ。


「出来の悪い20歳の3等海曹だった私はその後数ヶ月で上司と大喧嘩し(笑)、81年11月退職してしまった。

潜水艦乗務員というのはやはり「機密性の高い職域」だから、いざ辞めるとなるとそれなりに大変ではあった・・「直属の上司(班長)」・「機関長(私は機関科要員だったので)・「艦長」の3段階に渡って「慰留」されたからねえ。


それでも「徴兵制」じゃないのだから現在だって「依願退職」は出来るはず・・・今回の故人はどうしてそういう選択肢を取れなかったのだろう?

・・・・・この御時勢では「公務員を辞める」のは難しいのは解るのだが。


かって「出来の悪い20歳の3等海曹」だった男は、その20歳の11月20日に退職、やがてそれから31年が経過しようとしているが、その男は以来「堅気の職業に正規就業」したことがない。


それでもこうして「人生お気楽脳天気!!」とうそぶいて、自由に生きているざんすよん!!










27 15

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する