さて、普通の山であれば、頂上を踏んだ後は、来た道をのんびり戻ればよいかと考えるところであるが、そうはいかないのが剱岳。下り道は、登りよりもなお、慎重な行動が求められることとなった。特に厄介なのがカニのヨコバイ。初見ではスタンスがなかなか見当
カニのタテバイを過ぎると頂上はすぐ。標高2998mの頂上からは、豪壮な剱岳の山容にも劣らない大パノラマが広がっている。また、後立山連峰や槍・穂高連峰の遠景だけではなく、剱岳が従える源次郎尾根等の岩稜の景色も、剱岳ならではのものである。
平蔵のコルを過ぎると、登山路中では最大の難所となるカニのタテバイが待ち受けている。垂直に50m近く登る。クサリや杭は整備されているが、とにかく慎重な行動が求められる。良くも悪くも万年渋滞する箇所なので、前の登山者の動きを見れるが、岩場の途中で
前剱ノ門からは岩稜(平蔵ノ頭)の右側(東大谷側)をトラバースする。この辺りは足元のしっかりした登りであるため、緊張感からは少し解放されるところである。問題は登り切った先。ここからは高度感あふれる一枚岩の下りが待ち受けている。ここは慎重に下る
夜明けとともに剣山荘を出発する。お花畑の道を登り、一服剱に出る。そこからいったん武蔵のコルへ下り、不安定なガレ場を登ると、今にも落ちてきそうな大きな岩が目に入る。前剱大岩と呼ばれており、登山道はこの左側を抜ける。さらに登り切った先が前剱。こ
別山乗越から室堂平の景観に別れを告げ、剱岳方面を目指す。聳え立つ剱岳とはここで直に対面することになるが、たしかに、この山には登山ルートがあるようには思えない出で立ちである。チングルマが群生するお花畑の中を剱沢へと下る。剱沢小屋を通過し、雪渓