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日記一覧

素描「風立ちぬ」
2017年12月31日06:12

 これを何と評すればいいのだろうか。 まず、映画は堀越二郎の敬愛する設計家との夢から始まる。ロマンチック。思い入れたっぷり。気色悪いほどである。この主人公、二郎の人物像に黒澤映画のような理想化された姿を感ずる。彼の性格。若干地に足がついてい

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言うまでもなく、ぼく自身はイエス・キリストを「神の子」だとはかけらも思っておりません。イエス・キリストは紛れもない人間だと思っております。だとすれば、彼には父親がいたはずです。ヨセフとの結婚前に妊娠が発覚したということは、私生児だったわけで

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「春との旅」という作品は、21世紀の日本の映画人が生んだ傑作の一つと言っていい映画である。主演は仲代達矢、徳永えり。原作、脚本、監督は小林政広。この映画の、どこがそんなにいいのか。それを一つ一つ検証してみたい。脚本。台詞。それがほんとうによく

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泣き男の恋のようにふと呟いたことばは君の素肌のまばゆさに掻き消されてしまった泣き男の恋のようにつぶさに否定してしまえるならばよかったのに嘘ばかり列べたてて君に何一つ想いが通じないのであればぼくは何のために生きてきたのだろう20171201糸川草一郎

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ちょっと
2017年11月30日05:58

ちょっと今、気を失っていました。30分くらい意識がなかったみたいです。浴室の硝子が割れています。浴室の硝子っていくらくらいでしょうか。1万円くらいの余裕はありますが、1万円で買えますか。肩こりのない体質なのですが、気を失った後遺症でしょうか。

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ココアの子
2017年11月29日01:51

ココアの子 気づいたら そばにいてくれたココアの好きな 女の子水たまりを ぴょんと跳びだしぬけに笑うその子はどこからやってきたんだろう言葉じゃうまく伝えられない何を言っても 誤解されそうシフォンケーキのふわふわの歓びに似てもいてどこか哀しみ

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三島由紀夫の死んだ日
2017年11月25日00:59

三島由紀夫の死んだ日そっと呟いた ことばは何だったのかわかっていなかったのかも知れない影のほとばしるようなおそろしい夕さりの 隧道だと思ったこどものように 怖かったむかし 三島由紀夫の死んだ日にこっくりさんをやった友だちは ほんとうに怖がっ

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諏訪神社のお祭りの日。春香は自分でうまく浴衣を着つけたつもりだったが、後ろの帯が曲がっている。やっぱり女の子としての作法というか、自分を魅力的に見せる技は、姉の方が二枚も三枚も上である。逆光のさす和室で、姉は妹を諭すように、妹の、まだあどけ

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映画「物置のピアノ」を観る糸川草一郎 また、嗅覚が働いたとしか言いようがない。私自身、こんな映画に出逢えた好運に驚きを隠せずにいる。2014年の青春映画である。私も永く映画を観てきた。青春映画もずいぶん観たけれど、こんな映画は生まれて初めて

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礼節
2017年11月23日01:24

白鵬“待った”認められず、まさかの初黒星にぼう然http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&from=diary&id=4871292白鵬さん、礼節を失ったら、人間は動物と同等。けだものとおんなじですよ。以前に書きましたが、申し上げたいのはこの失礼、いや無礼な

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ゆうぐれの国のゆうぐれの坂ゆうぐれの国のゆうぐれの坂をゆっくりと下る風が吹いている季節外れの南風である海の方から吹いてくるぼくは南へ歩いているずっと歩いてきたぼくはよく思ったさきの地震では ぼくも死を思った道は 突然終わることがある長生きが

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妹の流産
2017年11月21日11:39

妹が2度続けて流産した時、何も言ってあげられませんでした。家族全員が悲しい気持ちになってしまった。それで良かったのかもしれません。却って、妹とおんなじ気持ちになってあげたことで、哀しみを共有でき、あの重い悲哀を一緒に背負ってあげることができ

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こわっ。犬崎っ。こわっ。この陰謀。全部奴のお膳立てじゃないですか。これ、汚職じゃありません。どす黒い「陰謀」ですよ。敦子ちゃん。偉い(この場面だけ)。いま奴の片棒担いでいる場合じゃない。ぼくは最初から市長は何もやっていないと思っていました。臭

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できごと
2017年11月18日03:54

できごとぼくは きょうものすごく あたまに来た浩二くんの顔を ぶったたいた思いっきり ぶったたいたしんでしまえとばかりに浩二くんはぼくを たたきかえさなかった浩二くんは ないてしまった浩二くんは なきやまなかったクラスの女の子たちがそれを見

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マメ。マメ。アサガオ。
2017年11月17日17:35

マメ。マメ。アサガオ。マメ。マメ。マメ。マメムーマン。こんな言葉があるなんて 知らなかった朝日のなかを あるく歩道の尽きる場所に あさがおのこぼれ種が芽ぐみ蔓をのばして 咲いてしまったそこには 老舗の花屋があるのであるこぼれ種のあさがおの蔓

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TBSドラマ「小さな巨人」を観る(第四話まで)糸川草一郎2017年4月、テレビを持たない私は、このドラマを見ることが叶わなかった。今 DVD 化されたものの第一話を観ている。時間を延長してのドラマ枠だったようだが、間延びした印象は全くなく、中身の濃い刑事

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戦争はいやだ。
2017年11月14日12:32

戦争はいやだ。 戦争はいやだ。人々はいま平和について真剣に語り合っている。世の中を良くすることについて語り合っている。国や民族同士の争いにおいて、哀しむべきは相手への無理解と無関心、および誤解であって、断じて主義の違いではないし、宗教の違い

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内田百間作「山高帽子」を読む糸川草一郎 海軍機関学校の同僚で、自ら命を絶った芥川龍之介をモデルに百間が書いた短編小説である。 冒頭からただ事ではない書きぶりで始まる。百間の小説はどれも情景描写が事細かに綴られており、読み飛ばす事のできない雰

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第二次上田合戦は、1600年9月8日、総勢3万8千の徳川秀忠を総大将とする、徳川軍が、わずか3500の真田昌幸・信繁(幸村)率いる上田城の真田軍にこてんぱんにやられ、9月15日の関ヶ原の合戦に遅参するきっかけとなったと言われている戦です。

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2017年4月、テレビを持たない私は、このドラマを見ることが叶わなかった。今 DVD 化されたものの第一話を観ている。時間を延長してのドラマ枠だったようだが、間延びした印象は全くなく、中身の濃い刑事ドラマであった。最初の芝署署長三笠(春風亭昇太)との酒

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日蝕
2017年11月10日19:55

少し臨時収入が入ったので、何か旨いものでも食べようと出かけた。ちょうどお昼時で空はカラッと晴れており、日本晴れと言っていい好天だったが、いつもより裏町は静かに感じた。小学校からも賑やかそうな声はしなかったし、往来を誰かとすれ違うこともなかっ

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2017年11月10日18:17

その日、僕は所属結社の句会へ行くために、城北町から若の宮町への緩やかな坂を下っていた。急いではいなかった。急ぐのが嫌だったからだ。陽は中天に昇っていた。正確な時刻は知らなかった。僕の腕時計が電波時計ではない安物だったからである。僕は正確な時

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正木浩一の句
2017年11月07日21:10

某日や風が廻せる扇風機    正木浩一ある日、何げなく部屋を見ていると、スイッチを入れてもいない扇風機が、窓からの風を受け、廻っているのに気づいた。そういう意味合いの句である。作者の正木浩一は今年、句集「羽羽」で蛇笏賞を獲った平成を代表する

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2017年11月07日10:34

朝かわいらしい朝はシナモンの薫りとともにやってきた小鳥のつどう 庭さきのちいさな神さまに名前をつけていただいた命だったから夜がたとえ とつぜんやってきたとしてもきっと大丈夫だと思った木の葉をひろった木の葉には みずいろの雨の名残きゅっと胸に

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水鳥の恋
2017年11月07日03:50

水鳥の恋水の上にうかぶ水鳥は 恋をしていたかわいい恋心だったか どうか心の覗きようがないので わからないが卑しいものには 思えなかったひとが ひとの恋を邪推するのは卑しいが水鳥の恋ならどうだろうゆうぐれあの水鳥は一羽きり河の夕日の ひかりの

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■「リメンバー・パールハーバー」 トランプ氏つぶやく(朝日新聞デジタル - 11月04日 20:33)http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4844863真珠湾広島天の川の下   草一郎 真珠湾と広島長崎を同列に考えることは、日本人には無理

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はっきり言って、大根の味のわからぬ者に、おでんを語る資格はないです。バカやお子ちゃまにはわからない味が、大根にはあります。大根の深み、やや苦味を感ずるその豊潤なるやわらかな色気。この深遠なる世界がわからない者に、おでんを語る資格はないのです

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「その十四」植物園裏の小石川原町の通りを、夜の11時過ぎになると裸馬が走り回り、植物園の茂みに隠れ込むという話が、まことしやかに語られている。毎晩のことだと言うのでしまいにはこの界隈では夜間外出するものが誰もいなくなった。そのうちに昼間でも人

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人間とは何だろう。第一次世界大戦の戦闘で腕、脚を失い、顔の感覚器官全てを失い、脳・脊髄・内臓だけとなった青年。意識はあり、今や触覚しかないことに徐々に気づいて行く。恋人との一夜を度々回想。夢だって見る。だが現在彼は人間性を否定され、軍部の生

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諏訪神社のお祭りの日。春香は自分でうまく浴衣を着つけたつもりだったが、後ろの帯が曲がっている。やっぱり女の子としての作法というか、自分を魅力的に見せる技は、姉の方が二枚も三枚も上である。逆光のさす和室で、姉は妹を諭すように、妹の、まだあどけ

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