冬も終わりを告げようかというある日の昼下がり。一服着いたコーヒーカップの澱を、私は見るともなく見ていた。低空飛行する旅客機の音で、安物のラジカセから流れる廉価販売のCDが、いつの間にか終わっているのに気付いた。また今度も意識されずに聞き流さ
八作が反抗期なのだ。「ちゃんとご飯食べなさい」「食べない!」「今日はジュースはもうなし、飲んじゃダメ」「飲む!」「お風呂入るよ」「入んない!」「危ないから、そっちいっちゃだめ」「そっち行く!」ということなので、こんなことも。「鼻糞は食べ物じ
自分とほぼ同じぐらいの年齢かと思われる。隣の班の彼は、少し猫背で、いつもちょっと疲れた雰囲気を醸し出している。彼との会話は。「今日も、疲れがみなぎってますね」から始まる。なんのことはない、自分だって疲れているのだけれど。最近になって思ったの
八作が保育園へ行くまでのひと時を庭で過ごす。庭といっても、半分が駐車場、半分が畑。二人で農作業。途中まで元気に育っていた白菜がヨトウムシにやられて、白骨化。いっそここまできれいに食べられると気持ちがいい。人間の完敗。で、その跡地にジャガイモ
というか発表会なんですが。曲目は「FLY ME TO THE MOON」「THE CHICKEN」ほれぼれする選曲。アドリブ部分もたくさん。ちなみに前回は、「G線上のアリア」「エンターテイナー(映画「スティング」のテーマ)」自分は所用で行け
トライアスロンを始めて一年目は苦労した。道具をそろえたり、そろえてもうまく使えなかったり、怪我したり。失敗してもノウハウがないから、ひたすらにあたふたしたり、呆然としたり。畑を始めて一年目もしかり。うまく芽が出なかったり、育たなかったり、早
春から堆肥を作っているのです。角型の蓋つきのゴミ箱を購入し、そのなかへポリ袋。ポリ袋の中に土を入れ、あとはゴミとなった野菜の残骸を放りこみ、混ぜるだけ。春から夏へ、気温が上がるとともに分解速度も早まって、野菜くずも二日たつと影も形もない。臭
ボーリングのピンのようなものに、口がついて、牙が生えて。まん丸い目らしき点と、背びれ。小学生でも描かないような、なんだかわからない少しかわいい獣。さすがに描いた本人もなんだかわからないと察したのか、絵の横に、ゴジラと書いてある。しかし、4歳
もう8月も終わろうとする今、ジョイフル本田まで、橙助とカブトムシを買いに行ったのでした。「今飼い始めて、ちゃんと繁殖しますかね」「あ、大丈夫だと思いますよ。ちょっと狭めのところで出会うチャンスを与えてあげれば。出会えなかったら、オスをメスに
今住んでいる市では、夏、小学生と中学生を募って団を作り、大島への4泊5日の自然体験学習を行う。費用は市が負担するので、ちょっとびっくりするぐらい安い。橙助、こりゃ行かないと。俺はまっぴらだけど。倍率は1.3倍ぐらい。ところが、一学年が一クラ
ジャガイモを掘り終えた畝を前に、一服。「さて、今度は何を育てようかな。あ、でも、その前に、ジャガイモに音をいれなくちゃ。」ジャガイモに音を入れる?え????と、疑問符だらけになったところで、夢が覚めたのでした。どうも、畑の畝のイメージと、D
その日を自分から早めようなんて気はさらさらないけれど、人間に寿命があるということはとてもありがたいことだと思うことがある。楽しいことも、うれしいことも、人を楽しがらせたことも、うれしがらせたことも、たくさんあったけれど、まったくその逆のこと