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2015年05月20日23:26

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今月のセインティア翔ネタバレ

わたしたちはアテナ様をお守りするために、命のかぎり戦い抜きます!
☆聖域に平和がおとずれた…。

stage22☆復活のエリス

射手座の聖衣が矢をつがえ、聖域の東方に向かって威嚇した。
アテナの衣装を身に着けた沙織はニケの杖を手に教皇の間を降りた。
「どちらに行かれるのですか、アテナ」
牡羊座のムウが声をかける。
「そろそろ夜が明けますが…、心身ともにお疲れのご様子。しばらく神殿の方で休まれては?」
「ムウ…。そういうわけにはいきません。東の地に出現した邪悪な小宇宙。そして消え去ったはずの妖星レパルスがふたたび輝き出しているのです。…これがなにを意味するのかは明白です」
「今からあの地に赴かれるおつもりですか?」
「もちろんです。あちらでは今、聖闘少女(セインティア)たちが戦っているのです。彼女たちに大きな危険が迫っているのは間違いありません」
蠍座のミロが歩み出た。
「邪神の類がふたたび動き出したというならば由々しき事態です。ですがアテナご自身が敵陣の中心に乗り込むのは危のうございます。致命的な罠が待ち受けているやもしれません」
「ミロ…。…わたしがアテナとしてまだ未熟であることはわかっています。ですがわたしが今こうしていられるのも彼女らのおかげでもあるのです。見過ごすわけにはいきません」
ムウが言う。
「アテナ、どうか誤解をしないでいただきたい。わたしたちはあなたを咎めようとしているのではありません」
獅子座のアイオリアが進み出た。
「あなたのその気高く勇ましい精神を感じたからこそ、青銅聖闘士たちもあなたを信じ戦ったのでしょう。そして彼らの想いは我ら黄金聖闘士へと十分に伝わり引き継がれました。ですからアテナ…、危険を承知で行くというならお供いたします。どうかご命令を」
「…アイオリア」
ムウが言葉を重ねた。
「アテナ、長らく財閥の令嬢として過ごしてきたあなたにとって、聖域の空気はすぐには馴染みにくいものかもしれませんが…、あなたはもう孤軍奮闘する必要はないのです。青銅聖闘士や聖闘少女(セインティア)たちと同じように、これからは私たちのことも信じ頼ってください」
沙織はムウ、ミロ、アイオリアにやわらかく微笑んだ。
「…ありがとう」
エリス神殿の跡地では翔子が異変を感じていた。
「お姉…ちゃん…、なの…?」
「!?これは…消えたはずのエリスの小宇宙!?なぜ…今になってまた!?」
マユラが言う。
「…神の魂を消滅させることはできぬ。あのときエリスの魂はアテナによって宇宙の果てへと飛ばされたのだ。それがなにかの力によって再び地上に舞い戻ったのか、あるいは…」
『翔子…、翔子』
「……!」
「翔子!なにをボンヤリしている。ここから去れと言ったはずだ…。はやくアテナのもとへ行け!」
「マユラさん…。でも今…お姉ちゃんの声が!?」
「なに?」
「…聞こえるんです!わたしにははっきりと!もしかしたらお姉ちゃんはまだ…!」
『翔子…』
「……。お前の姉は死んだのだぞ」
『翔子…。そこにいてはダメよ…』
「耳を傾けるな。それは姉を象ったなにかかもしれん」
「…え?」
『さあ…早く…、こっちにいらっしゃい』
植物のつるが翔子の体に巻き付いた。
「チッ…」
カッと光が爆発した。樹木が地面から湧き上がる。リンドウの花が咲いた。
翔子は花畑で、一本の大樹のもとにたたずむ姉・響子の姿を見た。姉はブラウスにスカートの普段着でバッグを持っている。
「お姉…ちゃん…?」
響子が振り返り、笑った。
「翔子…!良かった…!来てくれたのね。さあ…こっちへいらっしゃい」
響子は手のバッグを示した。
「一緒にお弁当を食べましょ!翔子の好きな焼肉おにぎりもたくさんあるわ」
翔子は呆然と姉を見ている。
「…どうしたの?浮かない顔をして。なにか…心配ごとでもあるの?」
「お姉ちゃん、どうして…」
「…え?」
「どうして…わたしを呼んだの?」
響子が静かに言う。
「この地上は、もうすぐ滅んでしまうからよ。とても残念だけどアテナ様には、エリスの魂を完全に封印する力はなかったの。もうすぐ争いの大樹も蘇り花を咲かせるわ。地上のあらゆる場所ですべての人々は、自らの願いのために争い滅ぼし合うでしょう。そんな場所を守るために戦い続けることができる?きっといつかは絶望して力尽きてしまうわ。そんなこと…絶対に許せない。だから翔子、あなたはこの楽園で、わたしとずっと一緒に過ごしていきましょう」
リンドウの花が風に揺らめく。
「…ちがう…」
「え…?」
「ちがう…!お姉ちゃんは、こんなふうにわたしを閉じ込めようとはしないっ…!わたしのお姉ちゃんは、命をかけてわたしと地上を守った聖闘少女(セインティア)で…、この聖衣をわたしに託してくれたんだよ。だからわたしは…、こんなまやかしの世界になんていられないの!」
「やめなさい、翔子」
「消えろっ…、ニセ者!」
翔子は流星拳を放った。リンドウの花が散る。
「…ふふ。ふふふふ。翔子…だめじゃない。敵として戦うなら、もっとわたしをしっかり見て狙わなきゃ」
「うっ…」
「でも翔子…、えらいわ。わたしの思いを継いで、強くなったのね。ふふ…小さいころからずっとそう。わたしのうしろを一生懸命追いかけてきてくれたわね」
一緒に空手をし、鍛錬で走る姉の後ろを幼い翔子は一生懸命に追った。
「…わたしが居なくなってたくさん泣いたでしょう?そんなあなたが、わたしの言うことに逆らえるかしら?いい子だから、言うことを聞いて?」
響子の手が光る。
『お姉…ちゃん…』
その時、空間にひびが入った。封鎖された異空間が粉々に打ち砕かれ、外から侵入してきた者がいた。
「そこまでです。響子さん。そして…邪神エリス」
聖衣を纏った蠍座のミロと、ニケの杖を手にしたアテナ・沙織だった。
「くっ…!」
復活したエリスの姿にミロが焦る。
「響子さん。あなたとエリスはとうとう…ひとつになってしまったのですね。あなたの中に残っていた強い願いが、邪神の小宇宙によって増大し歪められているのを感じます」
「…いいえ、アテナ様。今のわたしは、とても自然で自由なのです。ひとつの願いのためだけに存在し戦う…。これほど素晴らしくて幸せなことはないと知ったわ」
「…だから地上の人々は争うべきだと」
「ええ。私は戦いの女神エリス…。すべての戦いを愛し肯定します」
響子の手の中に黄金の林檎が現れた。
「…ちがう。それはちがうよ…!お姉ちゃん。だって…!」
「翔子。また会いましょう。もっと…強くなって、わたしのもとにいらっしゃい」
響子の体を光が包み込む。彼女の傍らにはリゲルがいた。
「待っているわ」
そうして響子とリゲルは消えた。
争いの大樹とエリス神殿が地面から復活した。エリス神殿の下層はコロッセオのような構造になっている。さらに連結された三つの浮き島が現れ、全体で四つの神殿群となりに空中に浮いた。
邪霊士が報告する。
「報告します。神殿下部、アテナの聖闘士の侵入を複数確認…。うち一人は早くも中央部に近付いている模様です」
報告を受ける男の面立ちは双子座のサガに似ていた。
先陣を切ったのは獅子座のアイオリアだった。
☆黄金の獅子、見参!


作者コメント:コミックス5巻、5/20発売です!どうぞ、よろしくお願いします!


巻頭カラーは沙織、美衣、翔子、シャオ。
エリス復活!そして本格的な戦いへ。リゲルも復活っぽくて嬉しい。ユアンとかゲオルクとか、白銀陣も再登場してくれるかな〜。
セインティアより黄金聖闘士が活躍しそうな雰囲気w
先陣はアイオリア。エリスの力で復活した黒サガ(?)を相手にするのかな?兄の仇を討つ!みたいな感じで。サガがまだまだ絡んでくれるみたいで楽しみ。
付録は黄金聖闘士のポスター。高河ゆん「シャカ」、岡田芽武「神聖衣アイオリア&シュラ」、手代木史織「シオン&童虎(聖戦終了間際の肩組んで立ってる姿)」、そして久織ちまき「白サガ&黒サガ」。久織先生、サガ好きなのかな〜。なんかサガの描写は力入ってる気がする。リゲル戦時のミロの渾身も出来だったけど…。

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